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2003年06月27日(金) 00時00分
カメラ付き携帯普及に美術館が「困った」(朝日新聞・)カメラ付き携帯電話の普及が、美術館や博物館を悩ませている。無断で展示作品を撮影する人が増え、著作権侵害やストロボ発光による変色の恐れが出てきているためだ。館側もあの手この手で撮影禁止を呼びかけているが、普通のカメラよりも小型で簡単に撮れるとあって「罪の意識」が薄れるせいか、これまでのところ、どの館も有効な予防手段を見つけあぐねている。エル・グレコやモネなどの名画で知られる倉敷市中央1丁目の大原美術館では、作品や説明文を勝手に撮影したり、有名作家の作品の前で記念撮影したりする入場者が後を絶たない。注意しても「何でだめなの?」と納得しない人もおり、職員の1人は「手軽に撮れるカメラ付き携帯電話が普及してから、『いけないこと』という意識がなくなっているように見える」と困惑する。 一方で、「シャッター音がうるさくて静かに鑑賞できない」と管理強化を求める入場者も増えている。同館では、注意書きの掲示は館内の雰囲気を損ねてしまうため、グレーと赤でシンプルにデザインした「撮影禁止」マークを要所に掲示しているが、目立った効果は出ていないという。原道彦副館長は「職員が四六時中見張っているわけにはいかないし…」と話す。 岡山市天神町の市立オリエント美術館は、写真撮影禁止を入場券の裏に記している。学芸員の四角(しかく)隆二さん(31)は「普通のカメラのようにフラッシュが光らないので、カメラ付き携帯電話は見つけにくい。これといった対策はなく、来館者の良心にまかせるしかない」という。 同館で懸念しているのが著作権上の問題だ。同館には数千年前の古い展示品もあるが、著作権法では作者の死後50年までしか保護期間が設けられていない。「撮影者に著作権が新たに発生し、所蔵品の写真が一人歩きする可能性もある」と四角さんは心配する。 一方で、オープン10年目を迎えた奈義町現代美術館では、変色の心配があまりない彫刻やオブジェが中心という事情もあって、自由に撮影してもらう方針を貫いている。作家にも美術館の方針を伝えており、これまで著作権法上の問題が起こったことはないという。 学芸員は「ストロボを使用するなど他の入場者に迷惑をかけない限り、入場者の良識に任せている。欧米では自由に撮影できる美術館などが多いことも参考にした」という。 |
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