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2003年06月23日(月) 00時00分

硫酸ピッチ流出し異臭 不法保管で捜査 富士宮 東京新聞

 富士宮市大中里地区で二十一日夜、異臭騒ぎがあり、富士宮署や静岡県などが二十二日、異臭を発していた建物内を調べたところ、山積みになったドラム缶から硫酸ピッチ(固形物)が溶け出したとみられる液体が多量に漏れていることが分かった。同署は不法に保管された疑いが強いとみて、廃棄物処理法違反の疑いで捜査を始めた。

 硫酸ピッチの不法投棄は数年前から県内の富士山ろくで相次いでいるが、市街地で大量に見つかったのは初めて。

 調べでは、建物(鉄骨二階建て)は倉庫として埼玉県川越市の業者に貸与されており、一階部分にドラム缶(二百リットル入り)約六百本が二段に積まれ、四カ所から液体が漏れていた。市消防本部は四千リットルかそれ以下が漏れたとみている。

 硫酸ピッチは軽油精製の際に出る強酸性の産業廃棄物。タールと同様に暑さなどで溶けると、有毒の硫化水素や亜硫酸ガスが発生し、目やのどが痛くなるなどの症状が出るほか、多量に吸うと肺に炎症も起きる。

 このため市は現地に指揮本部を設置して住民の避難先を確保する一方、中和剤(消石灰)を散布。ドラム缶をシートで覆い、屋外への流出を防ぐため南側出入り口に土のう積みも行った。

 市によると、二十一日夜は風が住宅の多い南側から北に吹いたため異臭を感じる人は少なく避難者もなかった。今後、暑さで溶け出す恐れもあり、中和剤を現地に確保する一方、早急な撤去などを県に要請した。現場の市道は通勤・通学者が多く、二十三日は通行止めにしてう回措置を取るという。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/siz/20030623/lcl_____siz_____001.shtml

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