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2003年06月23日(月) 07時04分
三陸南地震 山形県の情報網、研修不足で機能せず(河北新報)5月26日に発生した三陸南地震で、迅速な情報の収集・伝達のため、山形県が昨年7月に導入した防災情報システムが十分に機能していなかったことが、22日までに分かった。運用研修が不十分だったため、使い慣れた従来の連絡手段の電話やファクスでのやりとりが中心となり、同システムで被害情報を一元管理できなかった。最新のシステムが宝の持ち腐れとなった形で、県は「次の災害までには改善したい」と反省している。同システムは昨年7月末、災害時の情報収集と伝達活動を迅速に行うため、導入された。衛星無線を用い、県庁や各総合支庁、市町村などの災害関係部署137カ所に設置された端末から各地の被害状況を入力し、同システムで被害情報を県危機管理室が一元管理できることになっていた。 三陸南地震では、同システムによるスムーズな情報収集が期待されていたが、十分に活用できなかった。各端末から被害情報がなかなか入ってこなかったからだ。 「各市町村が被害状況の確認に追われているさなか、県や総合支庁は矢継ぎ早に情報提供を求めた。担当職員はシステムの運用が不慣れだったので、使い慣れた電話やファクスでの連絡を優先させてしまったようだ」と県消防防災課は説明する。同システムの運用研修はこれまで3回しか行われてなく、準備不足は明らかだ。 同システム以外の情報ルートが複数できてしまい、被害情報が混乱した。同システムへの入力と電話連絡の2度手間も大きな問題となった。 県教委など端末を持っていない部署は当初から同システムの蚊帳の外。学校施設などの被害状況では、県教委と危機管理室とでは把握している情報に食い違いが生じた。 同システムの被害情報の閲覧でも不満が続出した。「表示が見にくい」「被害状況一覧から詳細情報に直接入れない」など、市町村から上がってくる情報が分かりにくかったため、県から市町村への問い合わせも従来より増えた。 県消防防災課は「いつ次の災害が起こるか分からないので、もっと研修を行い各市町村との連携を深めないといけない」と話していた。 [河北新報 2003年06月23日](河北新報) |