2003年06月17日(火) 20時09分
アイコラ販売で初逮捕者(スポニチ)
人気女性タレントの顔写真とわいせつな画像を合成した「アイコラ(アイドルコラージュ)」を販売したとして、警視庁保安課と麻布署は16日までに、わいせつ図画販売などの疑いで大阪府茨木市のエアコン清掃業、野本啓聡容疑者(27)を逮捕した。インターネット上で約1万2300画像のアイコラが入ったCD—Rを広告・販売したもの。無法地帯だったネット上のアイコラについに捜査のメスが入った。 悪質なアイコラが最もはんらんし、問題化していたネット上で、ついに摘発第1号が出た。調べによると、野本容疑者は3月から5月にかけて、東京都武蔵野市の会社員(35)ら男性3人にアイコラを書き込んだCD—R3枚組「美神の館 アイコラ大百科」を販売した疑い。価格は5000円だった。
2年ほど前からインターネットでアイコラを収集し、昨年11月に自分のホームページ(HP)に掲載。バナー広告が張り付くアイコラの人気サイトは月に数百万円の収入があるとされるが、広告料では思うように稼げなかったという。そこで、自作も含め、中山美穂、広末涼子、深田恭子、酒井法子、モーニング娘。、後藤真希、松浦亜弥ら130人以上のタレントのアイコラ計約1万2300画像が入ったCD—Rの広告を載せ、販売を開始。これまでに電子メールで注目してきた客約50人に販売した。調べに対し、同容疑者は「アイコラは芸術でわいせつには当たらない」と容疑を否認。捜査関係者によると、画像で最も多かったのは広末涼子、次いで後藤真希だったそうで、黒木瞳ら女優に加え、うつみ宮土理のアイコラもあった。
今回の摘発は、01年1月にアイコラ写真を掲載した雑誌を初めて告発したのに続くもの。芸能プロダクションが加盟する日本音楽事業者協会(音事協)がネット上のアイコラに業を煮やし、肖像パブリシティ権擁護監視機構と協力しながら啓もうキャンペーンを続けてきた中で発覚した。ただし、今回の摘発はあくまで「わいせつな画像」に対しての罪で、アイドルのイメージを勝手に利用した肖像権の問題に踏み込み切れていないのも事実。立法化を目指す音事協では「肖像権啓もうの一助になれば」と話しており、損害賠償を含めた民事訴訟も検討している。
http://www.sponichi.co.jp/society/kiji/2003/06/17/02.html
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