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2003年06月17日(火) 00時00分
メカジキNGで、なぜマグロはOKなのか?指定されれば市場混乱、「政治的判断」か(ZAKZAK)なぜ、キンメが“危ない魚”で マグロは本当に大丈夫なのか。厚生労働省が3日、魚に含まれる水銀が胎児に影響を与えるとして、妊婦にメカジキやキンメダイの摂取を週2回以下にするよう発表したことが波紋を広げている。キンメの価格が暴落するなど“風評被害”が拡大しているほか、専門家から「なぜ、マグロが“危ない魚”の指定から外れたのか」との疑問が出ているのだ。水銀の含有量は食物連鎖で大型魚ほど高まるのが原則。日本人はキンメより確実に大型魚マグロをたくさん食べている。マグロ好きには、気になるが…。 「マグロが指定されず、『どうして?』という話になりました」と首をひねるのは、水銀汚染研究の拠点・国立水俣病総合研究センター(熊本県水俣市)の安武章・生化学室長。 こうした疑問は、厚労省にも多数寄せられ、同省担当者は「どの魚を指定するかは、厚労省や水産庁の調査などで魚に含まれるメチル水銀の濃度と、厚労省の国民栄養調査で、どの魚がどれくらい食べられているかというデータなどから摂取量を考え、決められた」と説明する。
これに対し、インドマグロやクロマグロの同含有量は、それぞれ1.08ppm、0.81ppmとメカジキより高いが、マグロの平均摂取量が21.2グラムと少ないため、指定から外されたという。 だが、この決め方には疑問がある。国民栄養調査は約4万人を調べた結果だが、うちカジキを食べた人のサンプル数はわずか210人なのに、マグロの方は1万380人もいるからだ。 つまり、マグロの平均こそ21.2グラムでも、人数が多いだけに摂取量のバラツキは大きく、仮にメカジキと同等の65グラム以上を食べる人が10%としても、その人数は1000人を超える。まして、約4万人中24人しか食べていないクジラを「週1回以下」に指定し、マグロを外す根拠は、どうも薄い気がする。 水銀問題の研究者で、指定を決めた審議会にも参加した東北大学医学部の佐藤洋教授も「私は審議会で、科学的なリスクマネジメントという視点からみた場合、マグロも指定すべきという話をしましたが、なぜか、採用されませんでした」と話している。 普通、マグロ好きが寿司屋にいけばトロや赤身を4、5貫は食べるだろう。ネタの大きい店なら、20グラム前後あり、21.2グラムなど簡単に超えてしまう。さらに、朝にツナサンド、昼に激安マグロ丼、夕食もツナサラダ…と、摂取量は、厚労省の指導をはるかに超えることも少なくなさそうだ。 ただ、厚労省も強調するように、食べ過ぎで問題があるのは、妊婦。その他の人には問題はなく、キンメやメカジキの消費量が激減しているのは過剰な反応だ。 そもそも、今回の問題は欧米で先に問題視され、英国は今年3月末、「妊婦は1週間にツナ缶(140グラム)2缶かマグロステーキ1枚以上を食べないよう」と勧告。 一方、日本は世界のマグロ類の約4割(約70万トン)を食べるマグロ消費大国。単純計算だが、国民1人当たり年間5.5キロ以上を消費する計算で、「マグロが指定されると影響が大き過ぎるから、政治的な判断でも働いたのでは」といぶかる専門家もいる。 厚労省は「そういうことはない」と否定するが、キンメの価格が急落するなど反響が大きいため、「HPで、なぜ、マグロが指定されないのかなど分かりやすく説明したい」と、発表内容のQ&Aなどを公表する。 果たして、納得できる回答がなされるのか。マグロ好きならずとも目が離せない。 ZAKZAK 2003/06/17 |