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2003年06月17日(火) 03時20分

<名簿屋>闇金融に債務者名簿売る 150万人分情報押収毎日新聞

 指定暴力団山口組五菱(ごりょう)会による組織的闇金融事件で、警視庁など合同捜査本部は16日、同会の闇金融グループに多重債務者の個人情報を販売したとして、通称「名簿屋」で埼玉県川越市古谷上、会社社長、富山潔容疑者(53)を出資法違反(高金利)のほう助の疑いで逮捕した。捜査本部は多重債務者150万人分の個人情報を収めたMO(光磁気ディスク)やパソコンを自宅などから押収、これらの名簿が闇金融の活動を支えてきたと判断し、同容疑での全国初の逮捕に踏み切った。

 調べでは、富山容疑者は東京都豊島区池袋2で名簿業者「三恵データサービス」を経営。昨年2〜6月、五菱会系組幹部で「FC」と呼ばれる闇金融グループの責任者、上良泰介被告(30)=同法違反、犯人蔵匿などの罪で既に起訴=ら2人に対し、違法な高金利の貸し付けに使われることを知りながら、横浜市の無職女性(46)ら多重債務者の個人情報計6万人分を計60万円で売り渡した疑い。

 富山容疑者は、94年6月ごろから開業。名簿ブローカーから消費者金融業者などの多重債務者名簿を入手し、事業を拡大していった。入手したデータを使い、債務者の氏名・住所を印字したダイレクトメール用のあて名シールを販売。生年月日や自宅電話・携帯電話番号、勤務先住所・電話などを掲載した一覧リストなども1人分10〜50円で売っていた。

 また、債務者本人が貸金業者から借金する際に家族構成や借り入れ状況を記載した「借り入れ申込書(原票)」を1人分1000円で扱っていた。貸金業者から直接入手したとみられる。さらにダイレクトメールの印刷代行まで請け負っていた。

 富山容疑者は同会の別グループ「TO」にも名簿を販売していたとみられ、上良容疑者に1人あたり10円の最低料金で売買していることから、五菱会とのつながりが深いとみて追及する。

 富山容疑者は調べに対し「都内でも10本の指に入る業者だ」と豪語しており、闇金業者の間ではデータが新しく「質が高い」と重宝がられていたという。【田中義宏】

 ◆業者はんらん 実態つかめず

 「都内だけで名簿業者は個人も含めると、200〜300ある」。逮捕された「名簿屋」の富山潔容疑者(53)が供述した名簿業者の実態だ。

 昨年3月、都内の貸金業者が加入する東京都貸金業協会の会員に「名簿屋」からダイレクトメールが届いた。「個人金融名簿販売名簿のご案内」。個人で営業する闇金業者向けとみられる。「1件あたり20円〜、(注文は)1000件〜」「完全独自の入手ルートにより、多量で、他社では決してまねができない鮮度と信頼度の高い個人データ」と宣伝文句が並ぶ。同協会は業者の所在地を調査したが実態はつかめなかった。

 インターネット上にも名簿の売買を誘うホームページがはんらんしている。個人データは多重債務者以外に、上場企業の役員住所録、高額所得者の住所録も取引されている。

 「全国ヤミ金融対策会議」代表幹事の宇都宮健児弁護士は「多重債務者を狙って執ように誘いかける闇金融業者の手口は名簿がないと成り立たない」と指摘する。さらに「日常的に人権侵害を繰り返している名簿業者はほかにもいる。消費者金融の元社員らが名簿を売るケースがあるとみられ、今後は入手先を追及すべきだ」と話している。【田中義宏】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030617-00000136-mai-soci

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