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2003年06月13日(金) 14時33分
夢つくし偽装 卸売社長ら3人逮捕 不正競争防止法違反容疑で福岡県警(西日本新聞)売れ残りを混入 収益確保へ常態化?福岡県産米「夢つくし」の偽装表示事件で、同県警生活経済課と博多署は十三日、「夢つくし100%」と表示した袋に別品種のコメを混ぜて販売したとして、不正競争防止法違反(偽装表示)容疑で、同県須恵町植木の米穀卸売業「内田米穀」社長、内田正容疑者(55)=同県粕屋町戸原=ら三人を逮捕した。県警は、同社が四年前から「コシヒカリ」や「秋田こまち」も同様に別品種を混入して販売していたことを確認。偽装表示が常態化していたとみて、実態解明を進める。 他に逮捕されたのは、内田容疑者の長男で、同社常務の内田正一容疑者(29)=同=と、同社の関連会社「とうばたライスセンター」常務、西村勝幸容疑者(49)=福岡市中央区福浜一丁目。調べに対し、正一容疑者は「事実は知っていたが、すべて工場長がやったこと」と容疑を否認、正容疑者は「偽装表示は知っていた」と、自らの関与についてはあいまいな供述をしている。西村容疑者は容疑を認めているという。 調べでは、三人は昨年十一月から今年三月にかけ、安価な未検査米や売れ残った新潟県産の高級ブランド米「夢ごこち」など数品種のコメを約三割混ぜたにもかかわらず「夢つくし100%」と表示した商品約七千百袋(約四十トン)を製造、うち八百五十袋(約四・五トン)を、福岡市内のスーパーなど六社に計百五十六万円で販売した疑い。 正容疑者は三月の家宅捜索後、会見し「年間を通じて味を安定させるためで、収益増が目的ではない」と釈明していた。県警は、正容疑者らが業界の流通米より安いコメを販売して販路拡大を図り、収益も確保するため、安価な未検査米などを混入したとみている。 内田米穀が「夢ごこち」の九州販売代理店として、年間約五百トンの仕入れノルマがあったが、割高で売れ残りが目立つため、在庫処分するため混入に使っていたという。 夢つくしは、福岡県が「コシヒカリ」と「キヌヒカリ」を交配して開発したブランド米。県内産の約三割を占める主力米で、二〇〇二年度の生産量は六万四千四百トン。 × × ワードBOX=不正競争防止法 事業者間の公正な競争を目的に(1)商標を盗用したり、他の商標と混同させるような行為(2)商品の原産地や品質、内容、製造方法などを偽ったり、誤認させる行為—などを禁じている。違反した個人は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が適用される。 食品の偽装表示をめぐっては昨年、肉の原産地を偽ったとして林兼産業(山口県下関市)や、鹿児島くみあいチキンフーズ(鹿児島市)などが摘発されている。(西日本新聞) |