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2003年06月08日(日) 00時00分
県消費生活センター本年度で廃止(東奥日報)県の行政改革に伴い県消費生活センターが来年三月いっぱいで廃止となる。廃止に伴い、来年四月から苦情処理などの業務が民間に委託される。ヤミ金融や架空請求騒ぎなど、消費者問題がより悪質・深刻化している昨今。センターへの相談も急増している中での廃止には、他の相談機関の関係者から疑問の声も。一方、専門家は「民間委託の方が県民のためになる」と指摘する。サービス低下を招かないためにも、県にはきちんとした引き継ぎと委託後の十分な支援が求められそうだ。県消費生活センター廃止は、県が二〇〇一年度に決定した行改大綱の一環。二カ年かけて、法定事務を除く大半の業務を民間に委託する。 すでに本年度は移行一年目として、消費者啓発・教育業務をNPO法人「青森県消費者協会」に委託した。 来春からの苦情相談業務委託についても、同協会は委託先の最有力候補となっている。 県文化・スポーツ振興課によると、こうした全面的な民間委託は、都道府県レベルでは北海道、大阪に次ぐ先駆的な取り組み。委託により四千万円程度の県費削減が見込まれるという。 だが廃止への動きと反比例するようかに、センターの業務は忙しさを増す一方だ。 〇二年度にセンターに寄せられた苦情・問い合わせ件数は七千九百八十二件で、前年度を千六百二件上回り過去最多。件数はここ数年間、過去最多を更新し続けている。 特に最近は商品トラブルなどにとどまらず、利用した覚えのないアダルトサイトの利用料金請求や悪質金融の取り立てトラブルなど、時代を反映した新たな相談が爆発的に増加している。 こうした状況下での廃止については、懸念する声も多い。ある社団法人の相談窓口の担当者は「行政と民間とでは、業者へのインパクトが全然違う」と指摘。「治安が悪化している今こそ、より相談のよりどころが求められるはず。一法人として業者に強い措置を取れない歯がゆさを感じている最中なのに…」とこぼす。 また、別の相談機関の担当者も「センターがなくなれば、こちらに相当数の相談が回ってくるだろう」と、廃止に伴う“しわ寄せ”を懸念。「消費相談はかなりの実地経験が必要。その面のレベル維持対策は十分なのか」と語る。 一方、消費者問題に詳しい青森中央学院大学の永田均教授は別の見方をしている。民間委託について同教授は「休日も含め相談受付時間は従来よりも増えるだろう。コスト面も含めメリットの方が多い」と指摘する。 「ヤミ金融問題一つとっても、県は何一つ有効な対策を取っていない。青森は悪質業者の草刈り場となってしまった」と、県の対応を批判する同教授は、「公的性格が薄まることでのマイナスはない。むしろ市民による消費者行政が生まれる絶好の機会」としている。 ※写真は本年度いっぱいで廃止される県消費生活センター。来年4月から苦情相談は民間に委託される http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2003/0608/nto0608_6.html |