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2003年06月03日(火) 15時00分

ヤミ金融:業者の口座情報は開示、非開示で分かれる 都銀7行毎日新聞


 弁護士会が、携帯電話や振込先の口座番号しか明かしていないヤミ金融業者の情報を得る目的で、口座のある銀行に照会した場合、「開示」と「非開示」に対応が分かれていることが分った。毎日新聞が都市銀行7行にアンケート調査したところ、業者の了解がなくても「開示」は4行。逆に了解が必要なのは3行だった。“顔”のみえないヤミ金融業者も多く、被害者が裁判を起こそうとしても、所在地すら不明なケースもあり、法律学者からは「守秘義務より被害者救済を優先させるべき」との指摘も出ている。

 行政当局に届け出をせずに違法な金利を設定しているヤミ金融業者は、所在地が分からないことが多い。暴力的な取り立てなどを受けた被害者が、弁護士の受任通知書を業者に送付することすら困難なケースも目立つ。

 このため、業者の氏名や住所などの情報を得ようと、弁護士が弁護士会を通じて銀行照会する手段を取っている。しかし、非開示も多く、先月初めには開示を断られた被害者側が、銀行に訴訟を起こしている。

 毎日新聞が行ったアンケート調査によると、弁護士会の照会に対し「口座を開設した業者の了解なしに開示しない」と開示に否定的な銀行が3社。一方で「ヤミ金融業者の口座と思われる場合や消費者救済につながる場合には了解なしに開示する」と回答した銀行が4行あった。

 開示に否定的な銀行は「預金者から訴えられる可能性がある」と指摘。これに対し、開示に積極的な銀行は「社会的に悪質性が分かれば、守秘義務よりも消費者救済が優先される」としており、見解は異なっている。【堀川剛護】

 個人情報問題に詳しい堀部政男・中央大法学部教授の話 銀行の守秘義務には、はっきりした法的根拠はなく、どこまで責任を負うかは明確でない。ヤミ金融の被害が社会問題化する中で、守秘義務一点張りでは社会的信頼を失うと考える銀行も出ているのだろう。被害救済への一助となるなら、開示を考えてもいいのではないか。

[毎日新聞6月3日] ( 2003-06-03-15:00 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030603k0000e040075000c.html

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