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2003年05月30日(金) 16時16分

外資系消費者金融、500億円申告漏れ読売新聞

 外資系消費者金融の旧「ディックファイナンス」=現「CFJ」(東京都品川区)=とオランダの関連会社が、東京国税局の税務調査を受け、2002年までの3年間に総額約500億円の巨額の申告漏れを指摘されていたことが30日、明らかになった。

 日本に課税権のないオランダに利益を移転して、租税を回避していたと認定された。追徴税額は、過少申告加算税も含め約100億円に上り、同社は指摘に応じて修正申告した。外資系企業の租税回避行為が相次いで国税当局の指摘を受けているが、これまでで最大規模の申告漏れ額となった。

 旧ディック社は、同じ消費者金融「アイク」や「ユニマットライフ」などとともに米大手金融シティグループの傘下にあり、今年1月、3社は合併してCFJとなった。

 CFJによると、3社の合併によって、今年3月末現在の融資残高は約1兆4331億円。昨年3月末現在での各社の融資残高では、消費者金融業界1位の武富士、2位のアコムに次ぐ規模となった。

 関係者によると、旧ディック社は、顧客に貸し付ける資金をオランダの関連会社から調達していたが、その際、投資事業に広く用いられる商法の「匿名組合」制度を利用していた。この制度では、事業で得た利益を分配金として投資者に支払うが、日本とオランダの租税条約には匿名組合の分配金に関する明文規定がなく、日本に課税権がないことから、同社は利益の99%を分配金としてオランダの関連会社に流す方法で、約500億円分の課税を逃れていたという。

 東京国税局では、このうち半分については、旧ディック社が自己資金を使って得た同社の法人所得であるため、日本で課税すべきだと判断。残る半分についても、オランダの関連会社が分配金ではなく、日本で得た法人所得と認めたため、合わせて約500億円の申告漏れを指摘した。

 CFJのスティーブン・バード社長は「報道などで国税当局の匿名組合に対する見解を知り、税務上の取り扱いを再確認した。納税義務を果たすことは重要で、今後とも国税当局と良好な関係を維持したい」とコメントしている。

 ◆匿名組合=商法で定められた出資契約に基づき、事業に出資した組合員が出資額に応じて利益の分配を受ける制度。事業を行う上で出資者が表に出ないので匿名性がある。投資リスクが出資額だけに限定されるため、資金が集まりやすい。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030530-00000507-yom-soci

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