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2003年05月27日(火) 11時33分
雪印の元工場長ら２人に有罪判決 食中毒事件で大阪地裁（朝日新聞）００年夏、１万３０００人以上の発症者を出した雪印乳業（本社・東京）による食中毒事件で、業務上過失致死傷と食品衛生法違反の罪に問われた同社大樹工場（北海道大樹町）の元工場長・久保田修被告（５３）と、業務上過失致死傷の罪に問われた元同工場製造課主任・泉幸一被告（５１）に対する判決公判が２７日、大阪地裁であった。氷室真裁判長は久保田被告に禁固２年執行猶予３年、罰金１２万円（求刑禁固２年、罰金１２万円）、泉被告に禁固１年６カ月執行猶予２年（求刑禁固１年６カ月）の有罪判決を言い渡した。 裁判で両被告は起訴事実を大筋で認めたが、低脂肪乳を飲んだ後に入院先で亡くなった奈良県の女性（当時８４）の死因について「医療過誤の疑いがある」と主張、食中毒と死亡との因果関係を争った。一方、検察側は「食中毒による腎機能の悪化で排尿が困難になり、体内からカリウムが十分排出されなくなった」と指摘し、因果関係を強調した。 氷室裁判長は、両被告がこの女性を含む計２００人に食中毒の傷害を負わせたと認定したが、女性の死亡との因果関係については認めなかった。 同社の食中毒事件について、検察側は「偽装牛肉問題、輸入野菜の農薬の問題など、一連の食品に対する社会不安が増大した発端となる事件で、社会的影響は極めて大きい」と指摘した。 両被告は、北海道大樹町の大樹工場で、大量発生した黄色ブドウ球菌の毒素に汚染された脱脂粉乳を廃棄せず、大阪市都島区の大阪工場（閉鎖）に出荷。同工場製の低脂肪乳を飲んだ女性（当時８４）を１２日後に死亡させたほか、１９９人に下痢や嘔吐（おうと）などの食中毒被害を与えたとして起訴された。 被害者のうち５家族９人が同社を相手取り、製造物責任法にもとづく損害賠償を求めて大阪地裁で争っている。 ＜雪印乳業パブリックコミュニケーション室の話＞ 判決については厳粛に受け止めたい。二度と食中毒事件を起こさぬよう、役職員一同一丸となって品質管理の徹底に取り組んでいる。 (05/27 11:32) |