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2003年05月26日(月) 00時00分
苦境ゲーセン ライバル家庭ゲームに挑む 攻略法は触れ合い 4人で対戦中の「アヴァロンの鍵」=東京・渋谷のセガ系ゲームセンターで (東京新聞)一昔前まで暗くて不良が集まるイメージのあった街のゲームセンター(ゲーセン)だが、今や明るい大人の交流の場へと変わろうとしている。かつて主流だった一人用ビデオゲームは姿を消しつつあり、複数で楽しむ機種が続々と登場しているのだ。家庭用ゲーム機や携帯電話の普及に押されながらも、新しい発想で生き残りをかけるゲームセンターの今を見た。大手ゲームメーカー、セガのグループ会社が経営する東京・渋谷のゲームセンター。平日の昼間にもかかわらず、ゲーム機「アヴァロンの鍵(かぎ)」コーナーでは十数人が順番を待っていた。 今夏の発売に先立ち、今月から試験的に置き始めたばかりの機種で、一式約九百万円。三十枚の「モンスター」の磁気カードを駆使して、鍵を奪い合う「トレーディングカード・ゲーム」だ。大画面前に最大四人が座り、手元のパネルで操作。ゲーム経験に応じてモンスターは強くなり、データはIC(集積回路)カードに記録される。 新宿区のDJ、ドリーさん(32)は「毎日来ています。家庭用ゲーム機と違い、迫力あるスクリーンで、たくさんの友だちと遊べるし、見知らぬ人とも仲良くなれる」。週末は、未明から開店を待って人が並ぶという。 ICカードを使ったサッカーゲームも、会社員風の三十代男性を中心に大人気だ。イタリア・プロリーグの選手情報が記録された十一枚のカードを、サッカー場を模した卓上に置くと、選手が大画面上でプレー。シュート場面はプレーヤーがボタンを押す。 カード収集熱も高く、近くの掲示板には、来場者に選手カードの交換を求めるメモが並ぶ。 同じく渋谷にある大手ゲームメーカーのナムコ直営店。東南アジアを意識した内装で、おしゃれなカフェのよう。 ここでは、複数対戦型に加え、やはり家庭用ゲームでは味わえない要素である「体感」「景品」が強調されている。 特に人気なのは「太鼓の達人」。音楽に合わせて、太鼓を打つ。 漫才のボケと突っ込みをゲームにした「ナイス★ツッコミ」。プロの漫才を画面で見ながら、相方の人形を「なんでやねん」と手ではたく。 「プリクラ」で知られるシールプリント機もさらに進化。撮影時、衣装を六十種の中から借りられる趣向もあり、女子高生は「モデル気分」。 現在、ゲームセンターは全国に約二万店。全日本アミューズメント施設営業者協会連合会(AOU)などの調べによると、ゲームセンター向けの業務用アミューズメント産業界の売上高は一九九七年度ごろがピークで、約八千六百億円。その後は減少傾向で、二〇〇一年度は約七千三百億円に落ち込んだ。一方、家庭用ゲーム(ソフトとハード)の売上高はほぼ右肩上がりで、〇一年度で約一兆五千億円に達した。 業務用苦戦の背景。桐谷克己AOU事務局長は「業務用と家庭用とでゲームの画質や内容に大差がなくなってきた。中高生が携帯電話でメールやゲームで遊ぶなど娯楽の種類が多様化し、経済状況が悪化する中で、小遣いがゲームセンターにまで回らなくなってきた」と分析する。 特に大型機器の設置が困難な小型店の淘汰(とうた)が進んでいるという。 そこで、各社が照準を合わせたのが、家庭用ゲーム機との差別化に加え、客層の拡大だ。既に「ゲームセンターの客層の中心は十代から、最近は二、三十代に移っている」(セガの担当者)。 ナムコが力を入れるのは、シンプルにも「客との触れ合い」。スタッフが笑顔で話しかけ、ゲーム機の景品が取りにくい場合は、取りやすい所に移してあげることも。大道芸やイベントも展開。「楽しんでもらうことでまた足を運んでくれる」(同社広報)と、幅広い層を意識して、明るいムードづくりを図る。 また、各社とも大型ショッピングセンターや複合型娯楽施設に積極的に進出、ファミリー層にアピールしている。 AOUの桐谷さんは、ゲームセンターも、通信やカード機能を駆使した新機種の開発や、客層の拡大傾向から「今後に期待できる状況になってきた」と指摘。そして、熱く語る。 「遊びイコール悪、といわれた時代から、業界は努力し、発展してきた。これからも、どんな時代になろうとも遊び心はなくならない。ゲームセンターの可能性も無限に広がっている」 http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20030526/mng_____thatu___000.shtml |