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2003年05月25日(日) 22時53分
5月26日付・編集手帳(読売新聞)米国のフライドチキン・チェーンが日本に初上陸したのは、一九七〇年の大阪万博会場だった。チキンに背中を押されたわけではないだろうが、このころから日本の食料自給率は急降下を始めた◆六〇年代後半まで日本の食料は70%以上が国内産で賄われていた。それが食の変化とともに年々落ち込み、現在は40%。六割を輸入に頼る、まさに“買い食い大国”だ◆海外の生産者は日本市場で「何が売れるか」「どうすれば売れるか」に知恵を絞り、作戦を練ってどんどん売り込んでくる。日本の生産者は歯ぎしりし、政府に後押しを頼むばかり◆と思っていたら、ようやく「攻め」に転じようという動きが出てきた。鳥取県と宮崎県が音頭を取り、農林水産物の「ニッポンブランド」を作って、輸出を促進する体制作りを進めるという◆鳥取県は特産の二十世紀ナシの輸出を後押ししてきた実績がある。宮崎では生産者がスギ材を中国に輸出する試みに取り組んでいる。知恵を結集しようと、二十八日に鳥取市で開く輸出促進協議会の設立には、二十を超える道県が参加する◆何を、どの国に、どうやって売り込んでいくかの議論は、大いに盛り上がるに違いない。そんな発想はほとんどなかったのだから。ファストフードの国に食で攻め返す。やりがいがあるではないか。 |