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2003年05月16日(金) 20時38分
[なんとかしてや!]「ヤミ金」問題 弱った心につけ込む業者 /和歌山(毎日新聞)◇返済のため重ねる借金◇脅迫めいた電話や電報も 実際にヤミ金融の被害に遭った県内の40代の男性に話を聞きました。 男性が初めてヤミ金融に借金したのは昨年春でした。家族や親類、友人、勤務先の電話番号から子どもの通う学校まで聞かれました。4業者から計約20万円。利子を含め約30万円を完済しましたが、その後も勧誘の電話はかかってきました。 今年3月上旬、再び別のヤミ金融に借金。今度は名前と銀行の口座番号を言っただけで借りられました。返済期限10日、金利5割の条件で5万円。10日ごとに払う金利は2万5000円です。なぜか期限が近づくと、他の業者から勧誘の電話がかかってきました。「返済が滞って周囲に知られたくない」という思いから、返済のための借金を重ね、約1カ月で借金は18社に計100万円以上に膨れ上がりました。 4月上旬、弁護士や県消費生活センターに相談した男性は、司法書士を紹介され、債務整理を委任しました。「違法な金利を払う必要はない」というアドバイスで返済をやめたところ、「脅迫」が始まりました。 留守番電話には「てめえ泥棒か」「おまえの息子の背中に詐欺師っていれずみ入れるぞ」などのメッセージが大量に残されました。勤務先の電話も3回線がすべてふさがるほどでした。「かくごしろ」などの電報も送りつけられました。 男性の代理人の司法書士は4月中旬、しつこい業者を脅迫容疑で警察に告発。電話は減りましたが、今でも1日1件ほどかかってきます。 男性は借金を繰り返していた当時を「返さなアカンということしか頭になく、正しい判断ができない状況にあった」と振り返ります。ヤミ金融は債務者の弱った心につけ込みます。 ヤミ金融の手口は悪質化しています。「押し貸し」といい、勝手に銀行口座にお金を振り込み、返済を請求する業者もいるのです。 =つづく 【小林多美子】(毎日新聞) |