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2003年05月15日(木) 14時44分
自殺した名誉教授の遺族勝訴 遺跡「捏造」記事訴訟(朝日新聞)大分県本匠村の聖嶽(ひじりだき)洞穴遺跡に関する週刊文春の記事をめぐり、自殺した賀川光夫・別府大名誉教授の遺族が「捏造(ねつぞう)疑惑があると報じた記事で故人の名誉を傷つけられた」として、文春側に謝罪広告の掲載と5500万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が15日、大分地裁であった。須田啓之裁判長は「賀川氏が捏造に関与したと疑わせる記事だが、捏造関与の立証や根拠はない」として、文春側に謝罪広告の掲載と慰謝料600万円の支払いを命じた。 問題になったのは、週刊文春の01年1月25日号から3月15日号に掲載された「『第二の神の手』が大分『聖嶽人』周辺にいる!?」などの記事。 判決は記事について、「賀川氏が捏造に関与したとの印象を読者に与えるが、証明がない。執筆前に捏造に疑問を抱く事実を認識することも可能だった」とした。一方、「賀川氏は自殺を決意するほどの精神的苦痛を受けたが、記事は氏を捏造者と特定はしていない」として、慰謝料は600万円が相当とした。 原告側は「聖嶽遺跡にも『神の手』が存在し、犯人は賀川氏との虚偽の結論に至らせる構成」と主張。文春側は「遺跡が学問上無価値だと報じたもので賀川氏が捏造に関与したとは書いていない」と反論していた。 原告で賀川氏の長男の洋さんは「謝罪広告の掲載が最大の目的だったので勝訴だと考えている。大きな力を持ったマスコミが心をまひさせたことに対する憤りは一生消えない」と話した。 週刊文春の木俣正剛編集長は「賀川氏の自死は痛ましいことと思うが、小誌記事に原因ありとされるのは心外だ。私たちは聖嶽遺跡に作為があることの検証を試みたのであって、賀川氏の行為とは一行も書いていない。判決はこの点をあまりに情緒的に混同しており、控訴せざるをえない」との談話を出した。 (05/15 14:44) |