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2003年05月14日(水) 00時00分

フグ養殖業者 ホルマリン使用の背景は朝日新聞・

 長崎県に続き、県内のトラフグ養殖業者も使用が禁じられているホルマリンを使っていたことが再度判明した。全国有数の生産量を誇る2県で禁止薬品が出回っていた背景には、発がん性のある無登録農薬を使った農家と同じく、安価で使い勝手のよい薬品に手を出す業者の「食の安全」に対する認識不足が挙げられる。県は、ホルマリンの取り締まりを強化し、代替薬の開発を急いでいる。
(西山貴章・明楽麻子)

 トラフグの生産量は、全国で長崎と熊本が突出している。01年は1位の長崎が約2577トン、2位の熊本が約1120トンだった。

 問題になったホルマリンは、主にトラフグのエラに寄生する「ヘテロボツリウム」という寄生虫の駆除に使われる。この寄生虫により血を吸われて成長が妨げられたり、体を傷つけられ、細菌に侵されて死亡するケースがあるという。

 ホルマリンは、養殖業者にとって、生産量安定のために有効な薬品だった。以前にも県内で複数の業者の使用が確認されている。

 一方で、真珠養殖をめぐって、アコヤガイの大量死とホルマリンの関係が指摘されるなど、ほかの生物への影響が懸念されている。

 81年に水産庁から使用禁止の通達が出されて以来、県も業者の指導にあたってきた。

 ここ数年で大阪市の化学薬品メーカーが開発したホルマリンの代替薬が普及するようになったが、過酸化水素が主成分の代替薬は、水温が高くなると魚体が弱る面もあり、使用が難しい。稚魚をいけすに入れて約1年半後に出荷するときの生存率が3割程度にしかならない業者もいるという。

 県によると、20リットルあたり約3800円のホルマリンに比べ、代替薬は約4500円。価格が安いこともホルマリンを使用する業者が根強く残る要因の一つとみられる。

 天草郡内のある漁協関係者は「代替薬は、寄生虫によってフグが被害を多く受ける水温が高い夏場に使いづらい」と話す。

 そうした中、県水産研究センター(大矢野町)は01年から製薬会社と共同で、新たな薬品の開発に着手した。まだ開発中だが、水温変化に左右されないことや、エサに混ぜるタイプで使いやすいのが特長だという。

 今、全国的な生産地である県内業者の動向が問われている。

 今回のホルマリン問題について、県内の真珠養殖業者らでつくる「天草の海からホルマリンをなくす会」の松本基督事務局長は「県の聞き取り調査だけでは、どの業者が使用しているか正確に把握できない。ホルマリン販売先や海の汚染状況を詳しく調べる必要がある」と厳しい取り締まりを求めている。
(5/14)

http://mytown.asahi.com/kumamoto/news02.asp?kiji=2371

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