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2003年05月08日(木) 18時36分

国産シジミ大ピンチ、外来種が侵食 「日本の味守れ」朝日新聞

 中国など外来種のシジミが、国内の川や湖を侵食している。「シジミのみそ汁」で親しまれてきた国産のヤマトシジミとは味が違い、栄養価も違う。混ぜて売るなどの不当表示もあるという。日本古来の味を守ろうと、地元漁協は出荷の際に外来種を取り除いたり、湖から除去したりするなど、シジミの季節を前に対策に懸命だ。

 全国有数のヤマトシジミの産地、青森県上北町の小川原湖漁協(沼辺武志組合長)に今年2月、「違う種類のシジミがいる」との通報が漁師からあった。

 同漁協が調べたところ、中国産で「バチ型シジミ」と呼ばれる種類。西岸の一角に大量にいた多くは死んでいたが、3月までに計600キロ回収した。今月13日には、中国産が残っていないかどうか追跡調査するが、取り残しが繁殖していれば、名産に深刻な影響を与えかねない。

 茨城県内の利根川下流や霞ケ浦でも最近、外来のシジミが繁殖している。同県内水面水産試験場などによると、確認された外来種は中国や台湾にいるタイワンシジミ、韓国産のウスシジミなど4種類。利根川下流では、ヤマトシジミに対する外来種の比率は最大で19%になっていた。

 小川原湖では、不法投棄が原因といわれている。同湖産シジミの仕入れ値は夏で1キロ約1000円、収穫量の減る冬は1500円以上になる。中国産は1キロ120円から200円と安く、売れ残った時には処分費の方が高いぐらいだ。関係者は「処分に困った仲買業者が捨てたのでは」とみる。

 利根川、霞ケ浦では原因は分からない。ある漁業者(39)は「外来種が混じっていると市場価値がなくなる。水揚げして、いちいち手で取り除かねばならず、手間ばかりかかる」と嘆く。

 ヤマトシジミは環境破壊もあって減っており、00年漁獲量は1万9000トン、外来種の輸入量は約1万7600トン。バチ型シジミは繁殖力が強いといわれる。

 三重大学生物資源学部の古丸明・助教授は、タイワンシジミは九州から青森まで広がっているとみる。「生態系にどこまで影響するか未知数だが、積極的に漁場から除去する必要がある」と指摘している。

          ◇          ◇          ◇

<ヤマトシジミ>

 淡水と海水が混じる河口や汽水湖の砂泥質にすむ。黒く光沢があり、殻長は3、4センチ。旬は夏。ビタミン類が豊富。コハク酸が多く、汁にするとうまみが出る。

<外来種のシジミ>

 青森で見つかった通称「バチ型シジミ」は三味線のバチに似たくびれた形。中国産でヤマトシジミよりひと回り大きく緑がかっている。淡水シジミでうまみが少ない。茨城で見つかったタイワンシジミは逆にヤマトシジミよりやや小さく3センチほど。厚みが薄く、正三角形に近い。身も小さい。ウスシジミはヤマトシジミと同じか少し大きく横長。紫の斑点がある。(05/08 17:53)

http://www.asahi.com/science/update/0508/002.html

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