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2003年04月30日(水) 06時24分

Tシャツ用プリント紙から有害物質、2社は製品回収朝日新聞

 Tシャツに絵や写真などを転写する市販のアイロンプリント紙の一部に、有害物質のホルムアルデヒドが高濃度に含まれていることがわかり、大手の販売会社3社が出荷を停止した。うち2社は自主回収する。家庭用品規制法では、ホルムアルデヒドは乳幼児用衣類から検出されてはならず、大人用の肌着は75ppm以下にしなければならない。厚生労働省化学物質安全対策室は「アイロンプリント紙は法律の規制対象外だが、健康被害があれば何らかの指導をする」と話している。

 アイロンプリント紙に家庭用のプリンターで好きな絵や写真を印刷すれば、アイロンでTシャツに簡単に転写できることから複数の業者が販売している。

 ところが、福井市の市民団体「子供たちの明日の暮らしを守る会」(小池早苗代表)が市販のアイロンプリント紙を財団法人・北陸公衆衛生研究所に持ち込んで調べたところ、シャープドキュメントシステム(本社・千葉)の製品から850ppm、三菱化学メディアの製品から750ppm、ライオン事務器(ともに本社・東京)の製品から170ppmのホルムアルデヒドが検出された。

 さらに3社のアイロンプリント紙で黒いTシャツに絵を転写し、財団法人・日本化学繊維検査協会北陸検査所に持ち込んだところ、Tシャツの生地から24ppm、163ppm、45ppmのホルムアルデヒドがそれぞれ検出された。

 「守る会」が3社に伝えたところ、自社で検査をするとして3社は出荷停止を決め、店頭から製品を回収。三菱化学メディアとシャープドキュメントシステムは自社の検査でもホルムアルデヒドが検出されたとして消費者から製品を自主回収することにした。当初はホルムアルデヒドの使用を否定する社もあった。

 3社はいずれも外国のメーカーに製造を委託していた。昨年6月以降に三菱化学メディアは約3万5千個の製品を、シャープドキュメントシステムは約5万6千個を出荷している。同社の西脇義祐社長(シャープ国内営業本部副本部長)は「ホルムアルデヒドが入っていることを知らなかった。販売元として責任を感じる」と話している。

 ホルムアルデヒドを使用していないアイロンプリント紙を製造している別のメーカーは「ホルムアルデヒドを使うと洗濯しても色が落ちにくい。海外では規制が緩いが日本の販売会社の認識が甘かったのでないか」と指摘している。

 ホルムアルデヒドに詳しい名古屋市衛生研究所の岩間雅彦主任研究員は「ホルムアルデヒドの被害はかゆみやかぶれ程度のことが多いので問題が表面化しづらい。化学物質過敏症も問題となっており、微量でも注意が必要だ」と話している。

(04/30 06:23)

http://www.asahi.com/national/update/0430/004.html

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