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2003年04月23日(水) 15時32分

<浄水器>万人においしい水、存在しない 大阪地裁が逆転判決毎日新聞

 「水がおいしくならない」ことを理由に、浄水器の購入契約を無効とできるかどうかが争われた訴訟で、大阪地裁は23日までに、無効とした大阪簡裁の判決を取り消し、大阪市内の主婦に対してクレジット会社の請求通り約45万円を支払うよう命じる逆転判決を出した。小久保孝雄裁判長は「万人がおいしいと評価する水は存在しない」とした。さらに無効とするには「おいしくないことを示す科学的データが必要」と述べ、消費者に厳しい判断を示した。

 判決によると、主婦は01年2月、大阪市内の業者の訪問販売を受け、浄水器を約35万円でローン購入。しかし「水がおいしくなる」などという業者の説明に「うそや間違いがある」として、代金を支払わなかったため、クレジット会社から利息などを含めて請求された。

 大阪簡裁の審理では、業者の関係者が「水が科学的に変化したというデータ的裏付けはない」と証言。同簡裁は「異常な高額であり、消費者の健康志向に付け込んだ詐欺的行為といっても過言でない」と支払いを拒絶できると判断した。

 ところが地裁では、クレジット会社と訴訟に補助参加した業者が、磁気処理によって水質を改善するという浄水器の構造や、一般にどのような水がおいしいとされているかを示す新聞記事などを“新証拠”として提出。判決はこれを引用して、「万人においしい水はないが、一般的においしい水は存在する」としたうえで「本件浄水器の使用で水が一般的においしくなる水質変化が推認できる」と結論づけた。

 国民生活センターによると、浄水器に関する相談は増加傾向にあり、02年度は1万856件と初めて1万の大台を突破。データを取り始めた93年度の7倍になった。このうち訪問販売が占める割合は、同年度の18%から81%に激増している。 【山本直】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030423-00001067-mai-soci

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