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2003年04月17日(木) 00時00分
老人ホームに排除命令公取委の調査を受けて「全戸南向き」の表示の上に「澄んだ空気」のシールをはったシニアユートピア金沢のパンフレット(朝日新聞・)弱みつけ込み違反憤る入居者ら 金沢市粟崎町4丁目の有料老人ホーム「シニアユートピア金沢」が募集広告や契約時の重要事項説明書に実態と異なるサービスや設備を記載していた問題で、公正取引委員会は16日、景品表示法違反(有利誤認、優良誤認)があったとして、有料老人ホームに対して全国初となる排除命令を出した。入居者らは「施設側は、他に行き場のない高齢者の弱みにつけ込み、契約違反を続けていた」と話している。 ◇ 同ホームのパンフレットでは、「全戸南向き」とうたっていたが、実際には一般棟100戸のうち24戸が東向き、介護棟30戸のうち4戸は北西向きだった。重要事項説明書で「専門家が効果的なリハビリテーションを行う」としていた「機能回復訓練室」はなかった。 登記簿などによると、施設は故奥田敬和運輸相の実弟で建設会社社長の外世雄氏や、金沢西病院(金沢市)の役員、取引先らが出資し、県内初の有料老人ホームとして92年10月に開業した。現在は約120人が入居する。 入居者らによると、契約事項と実態との食い違いは、ほかにも数十点にのぼった。さらに、施設を再三指導してきた県によると、介護保険に基づく介護報酬に加えて、入居者から介護料を徴収する、「二重取り」の疑いもあった。 行政の指導が始まる前の01年2月、約半数の入居者は交渉団体をつくって施設側に是正を求めたが、相手にされず、団体は昨年末に解散した。 職員らによると、入居者は、家族との生活がうまくいかないなどの理由で施設に入る人が多い。不満があっても「事を荒立てて居づらくなると困る」という入居者のほか、「(不当な運営は)聞かなかったことにしたい」と耳をふさぐ家族もおり、契約違反の施設運営が続いたという。 退去した元入居者の一人は「家庭を含め、施設の他に行くところがない人が多い。サービスが契約と違っても、ぼけてしまって分からない人もいる。高齢者の弱みにつけ込み、行政が動くまで入居者を馬鹿にし続けた」と憤っている。 |
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