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2003年04月16日(水) 13時26分
借りてないのに「借金返せ」、“カラ貸し”被害続出(読売新聞)実際に金を貸していないのに、脅迫めいた取り立てで、強引に金を振り込ませる「カラ貸し」と呼ばれる手口が横行している。ヤミ金融業者が勝手に金を振り込んで、暴利での返済を迫る「押し貸し」などの被害も目立っており、関係者は「ヤミ金融への批判が高まる中、追いつめられた業者が、なりふり構わず、稼げるだけ稼ごうとしているのではないか」と指摘する。 警視庁丸の内署は今月7日、実際には金を貸していない都内の男性2人に「早く金を返せ」などと電話をかけ、合計20万円を脅し取ったとして、東京・池袋の消費者金融「あさひサポート」社長(22)と社員2人を恐喝容疑で逮捕した。 逮捕容疑は、名簿業者から購入した多重債務者リストをもとに、「回収を依頼された。返さなければ職場に押しかける」などと電話で脅し、インターネットで購入した複数の個人名義の口座に入金させたというもの。同署では今年2月、同社の別の社員3人を同容疑で逮捕しており、同社は2001年11月から今年1月ごろにかけ、同じ手口で約50人から約1200万円を脅し取っていたとみている。 返済に追われる多重債務者の不安に乗じた、こうした犯行は最近目立っている。東京都内のパートの60歳代の女性は先月、金融業者を名乗る男から勤務先にかかってきた電話で、「債権が残っている。10万円払え」と迫られた。昨年夏、ヤミ金融二十数社から借りた100万円を超える借金を、知人に用立ててもらって返済したが、1社だけ連絡がつかず、返済できなかった。この業者の債権を譲渡されたと思い、8万円を指示された口座に振り込んだ。 すると、1週間後、別の業者から「何でよその借金を返して、うちに払わないんだ」と頻繁に勤務先に電話がきた。仕事を邪魔されたら困ると、5万円を払ったところ、最初の業者から今度は追加支払いを迫る電話がかかった。無視し続けると、携帯電話の留守電に「お前を殺す」というメッセージが入った。女性は「怖くて家にも帰れない」と、おびえた表情で話した。 中部地方に住む50歳代の男性は今月、都内に住む息子の借金を立て替えて欲しいと、大手消費者金融の社員を名乗る男から電話を受けた。息子と連絡が途絶えていたため、すぐに約130万円を入金した。息子はその大手消費者金融から借金をしていたが、振り込んだ先は個人名義の口座。電話の主とは連絡がつかず、だまされたとわかった。 ヤミ金融問題に詳しい溝呂木雄浩弁護士は「警察に恐喝の被害届を出すなど、毅然(きぜん)とした態度で対応するべきだ」と話している。 ◆多重債務者 複数の消費者金融などから借金を重ね、返済に窮している人。相談機関の日本クレジットカウンセリング協会によると、一昨年度の相談者の平均債務額は738万円で、2年前より22%増。多重債務の原因は「生活費」「遊興・飲食・交際費」「ギャンブル」などとなっている。 |