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2003年04月11日(金) 00時00分
金属バットで暴行も…受刑者虐待の実態日弁連、「刑務所・拘置所110番」の結果を公表(ZAKZAK)日弁連は11日、名古屋刑務所の受刑者死傷事件を受けて各弁護士会が矯正施設内での人権侵害の実態について電話で聞き取り調査した「刑務所・拘置所110番」の結果を公表した。元受刑者らからは、刑務官による金属バットを使った暴行や病気になっても十分な医療が受けられなかったとする計125件の訴えが寄せられた。調査は3月上旬、全国36の弁護士会と近畿弁護士連合会が実施した。125件の内訳は、元受刑者や元被告が自分自身の体験や他の受刑者らの被害について訴えたのが73件、受刑者らの親族が訴え出たのが31件、その他が21件だった。 日弁連はこの調査結果を、法務省が刑務所改革のために設置した有識者懇談会「行刑改革会議」に提出する予定。 内容別では、保護房や革手錠、暴行に関係するのが58件で、元受刑者の1人は「暴れていないのに保護房に引きずり入れられ、柔道の絞め技で落とされた」と刑務官による暴行を訴えた。 このほか「受刑者全員を集めた講堂で革手錠十数本を並べ『今後はささいな規律違反でも、これで絞め上げる』と脅された」、「(千葉刑務所内で)金属バットで暴行された」、「入浴の際、早くしろとホースで水をかけられた」との訴えがあった。 医療関係は34件。「のどの不調を訴えたら風邪薬を渡された。出所後、甲状腺がんと診断され、緊急手術を受けた」などと不適切な医療を訴えるケースが多く、出所後に多発性骨肉腫で死亡した元受刑者は「全身の痛みを再三訴えたが、仮病だろうと言われ、診察を受けられなかった」といい、親族が損害賠償の請求訴訟を検討中。 法相への情願(じょうがん)や所長面接など不服申し立て関係は24件。うち刑務官らから妨害されたとするのが10件あり、「母あての手紙に名古屋の事件を書こうとしたら『親が心配するだろう』と書き直しを命じられた」と訴えたケースもあった。 ◆受刑者の不満明らかに 日弁連人権擁護委員会の村越進委員長の話 「120件を超える電話を受けることができ、全国的な関心の高まりを感じる。革手錠と保護房、刑務官による暴行の訴えが多数寄せられたのをはじめ、施設内の医療水準の低さや医療体制のないことへの訴えが予想以上に多かった。特に目を引いたのは『人間として扱ってほしい』という訴えが十数件もあったことで、人権を無視された受刑者の不満が明らかになったと思う。調査結果を人権保障を重視した行刑改革に役立てていきたい」 ZAKZAK 2003/04/11 |