肉まん事件で株主代表訴訟（産経新聞）

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2003年04月04日(金) 16時26分

　ミスタードーナツが法定外添加物を含む肉まんを販売した事件で、運営会社のダスキン（大阪府吹田市）に損害を与えたとして、元同社部長の株主、坂井洋さん（６０）＝大阪府泉南市＝が４日、上田武前社長ら当時の経営陣１０人に計１０億円を同社に賠償するよう求める株主代表訴訟を大阪地裁に起こした。

　訴えによると、一部の同社幹部らは１２年、「大肉まん」に法定外の酸化防止剤が混入していることを知りながら販売。１３年にはすべての役員が混入を知っていたのに、昨年５月の報道で明らかになるまで事実を隠ぺいした。

　この結果、売り上げが落ちた加盟店への補償などで計約９６億円の損失を被った。

　坂井さん側は「元幹部らの行為は食品衛生法に反するだけでなく、ダスキンに損害を与えており、監督義務違反だ」と主張している。

　坂井さんは今年１月、同社監査役あてに、当時の経営陣に賠償を請求するよう求める通知を送ったが、監査役が拒否する回答をしたため提訴した。

　この事件では、大阪府警が今年１月、食品衛生法違反容疑でダスキンと下請け２社、当時の幹部ら８人を書類送検した。