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2003年04月01日(火) 22時57分

肺がん治療薬イレッサ、効くかどうかを遺伝子で予測朝日新聞

 肺がんの治療薬イレッサが効くかどうかを、使う前に遺伝子の働きぶりの違いで見分ける手法を東京大医科学研究所などのチームが開発した。まだ基礎研究の段階だが、今後、臨床試験を重ねて、効果を予測する方法として確立を目指す。副作用とみられる肺炎などで死亡する患者が相次いでいるが、効果が見込める患者だけに使えるようになれば、無用な副作用を回避できる可能性がある。

 医科研、近畿大、徳島大などの関係者が1日に会合を開き、臨床試験の方法などを検討した。

 イレッサが効くのは患者の約3割とされる。しかし、実際に使ってみないと効果は分からず、患者の過半数は、効果が期待できないのに副作用の危険にさらされる形になっている。

 医科研の中村祐輔教授らは、近畿大、徳島大の協力を得てがん細胞を遺伝子レベルで分析。イレッサが効き、がんが半分以下になった患者7人と、効かずに25%以上増加した患者10人で、働きぶりが大きく異なる遺伝子を数十種類突きとめた。

 例えばイレッサが効いたグループでは、がん細胞の増殖に関係する遺伝子が働かなくなっていた。一方、効かなかった10人のうち7人で、この遺伝子が活性化していた。細胞の自然死(アポトーシス)を邪魔する遺伝子にも同じ傾向があった。

 こうした遺伝子数十種類のうち、働きぶりの差がとりわけ顕著な12種類を選定。統計的な解析で、効果が予測できると結論づけた。

 今後、50〜100人の患者を対象に遺伝子の特徴を調べて、イレッサを使った経過との照合などを進め、効果予測法を確立させたい考えだ。

 厚生労働省によると、2月末現在、イレッサの副作用とみられる報告は523例で、うち死亡は177例。(04/01 22:56)

http://www.asahi.com/science/update/0401/003.html

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