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2003年03月19日(水) 14時20分
就職難につけ入る口利き詐欺 熊本北署逮捕の男(熊本日日新聞)
「ぼくは環境省から県に出向している。金融機関に顔が利くから就職できるように頼んでやろう」。昨年六月、荒木容疑者は大学四年生のA子さん(22)に、こう持ち掛けたという。 調べに対し、同容疑者は「事業に失敗して消費者金融などに一億数千万円の借金があり、返済に充てようとした」と動機を供述。A子さんは知人の知り合いだった。職探しをしていると知り、「人生経験の浅い大学生に就職を世話すると言えばだましやすいと計画した」と話しているという。 厚生労働省によると、今春卒業予定者(二月一日現在)の就職内定率は大学生83・5%、短大生70・6%。県内は大学生44・8%、短大生24・8%と、全国平均をさらに下回る。就職に悩んでいたA子さんにとって荒木容疑者の言葉は大きな魅力だった。 同容疑者はA子さんを県庁に呼び出し、庁内を案内して信用させた。就職対策として参考書もプレゼント。随所にアンダーラインを引いてやる念の入れようだった。 「まとまったお金を定期預金にする必要がある。ぼくが直接持って行って金融機関の幹部に話をつけるから」。昨年六月中旬、同容疑者の言葉にA子さんも、相談を受けた家族も、疑念を抱かなかったという。 荒木容疑者は「預金と言えば金を得やすいと思った」とも供述。就職先へのわいろなどと違い、将来引き出せる自分名義の預金ならば要求に応じやすくなることを狙ったという。「被害者側に罪悪感を抱かせずに金銭を提供させようとした」とみる捜査員もいる。 A子さんも言われるままに二百万円を荒木容疑者に渡してしまった。同容疑者は文具店で内定書式を購入し内定通知書を偽造。七月中旬、「お礼の気持ちを示すためにもっと預金をした方がいい」と、さらに三百万円をだまし取った。A子さん側が、通帳が手元に届かないと指摘すると、荒木容疑者は「もうすぐ郵送される」などと答えていたという。 「お金は家族が用意した。娘のためならどんな苦労をしても構わない、という親心を巧みに利用した」と捜査員は憤る。 その家族が最終的に同署に相談したのは今年一月になってから。今は、「安易に口車に乗ってしまった」と強い自責の念にかられているという。 http://kumanichi.com/news/local/main/200303/20030319000254.htm |