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2003年03月15日(土) 07時07分
丸紅畜産鶏肉偽装 「消費者は見抜けない」被告の元部長ら供述(河北新報)丸紅畜産(東京都)の鶏肉偽装事件で、詐欺と不正競争防止法違反の罪で起訴された元同社東北営業部長吉川章洋被告(47)=千葉県市川市=らが、宮城県警生活環境課などの調べに対し、「消費者は偽装肉かどうかの見分けがつかない」という趣旨の供述をしていたことが、14日までに分かった。仙台地検は消費者を侮った認識の表れと受け止め、仙台地裁で17日に始まる公判で、犯行の悪質さを示す要因として強調する考えだ。吉川被告は「(偽装に使った)ブラジル産の冷凍肉を解凍すると、肉汁が染み出て味も鮮度も落ちる」と偽装肉の品質が国産の生肉より劣ることを認識しながら、「肉汁をふき取りさえすれば、消費者は(冷凍の)偽装肉と国産生肉を見た目では区別できず、偽装は発覚しないと思った」などと述べた。 また、日本人の消費行動について「国産肉信仰が強い。輸入肉より高値でも国産肉を買い求める」と分析。「正直に外国産と表示したら、安くても買ってもらえないのは明白で、違法と分かりながら国産と虚偽表示した」という内容の供述もしたという。 地検はこうした供述を「消費者をばかにしきった認識だった」と重視、公判で行為の悪質さを立証する際のポイントの1つに据える。さらに、吉川被告らが牛海綿状脳症(BSE)問題で鶏肉の需要が高まったのに便乗して偽装をエスカレートさせたことも立証、悪質さを浮き彫りにする方針。 起訴状によると、吉川被告らは2001年9月下旬から約3カ月間、丸紅畜産の旧仙台営業所(宮城県利府町)で仕入れたブラジル産などの輸入鶏肉約40トンを国産ブランド鶏肉「ネッカチキン」などと偽って出荷。うち約2トンを不当な高値で宮城県などのスーパー3社に卸売りし、代金計約137万円をだまし取った。 丸紅畜産の消費者軽視の姿勢について、仙台市消費者協会の小林達子会長は「消費者は食品事業者が食品表示を偽りなく誠実に行うことを信じて、購入せざるを得ない。事業者としての最低のモラルを守っていない丸紅畜産の姿勢は、消費者を愚弄(ぐろう)しており、言語道断だ」と話している。 [河北新報 2003年03月15日](河北新報) |