悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録

2003年03月14日(金) 17時13分

乳房切除手術で説明違反認め国に賠償命令 東京地裁朝日新聞

 東京都内の女性(59)が、国立がんセンター中央病院(東京都中央区)で92年、必要がないのに右の乳房全体を切除されたとして国に約2400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。土屋文昭裁判長は、がん化する恐れのある腫瘍(しゅよう)があり、乳房全体の切除に違法はなかったとしつつも、「担当医はがんになる危険性を強調して不安をあおり、手術について熟慮する機会を与えなかった説明義務違反がある」と述べて国に慰謝料など120万円の支払いを命じた。

 判決は「がん化する可能性を否定できず、残った腫瘍の広がりの範囲を特定できないから、乳房全体の切除に過失はない」と判断。そのうえで、手術の切迫性がないケースで詳しい説明が可能だったのに、「再発するとがんになる」「飛ぶ(転移する)かもしれませんよ」などと述べただけで、「説明義務を尽くしたとは言えず、原告は自己決定権を侵害され、精神的苦痛をこうむった」と結論づけた。

 原告側は、良性腫瘍であり乳房全体の切除は必要がなかったと主張。「乳房の一部とリンパ節だけをとる温存療法が望ましかった」と訴えていた。

<野村和弘・同病院長の話> 主張が受け入れられず残念だ。関係機関と協議して今後の対処を決めたい。

(03/14 17:12)

http://www.asahi.com/national/update/0314/025.html

この記事に対するコメント/追加情報を見る

ニュース記事一覧に戻る

トップページ