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2003年03月12日(水) 00時00分

女性向けアダルト電話、忘れたころに遅延金 法規制の網スルリ 東京新聞

 レディースコミックなどの雑誌に掲載する有料アダルト番組に電話をかけた利用者が、数カ月後に法外な遅延金を請求されるケースが相次いでいる。警視庁によると、現行法の網を巧みにくぐり抜け、一昨年八月から一年半の間に七億円以上を荒稼ぎした業者もいるという。業者の口座への振込人の半数以上は女性。消費者契約法に違反する不当請求を堂々と行う業者への対策は、利用者の自衛しかないのが現状のようだ。

 ■1年半 7億円荒稼ぎも

 警視庁によると、電話をかけてわいせつなテープを聞き、利用料を払うアダルト電話は、利用者の心理を突く工夫をこらしている。

 テープは時間の経過とともに、過激な性描写への発展を想起させるが、終始、人の息遣いだけにとどまるケースが多い。露骨な性表現は使用しないため、わいせつ物陳列罪には問われない。さらに利用規約のガイダンスは「料金の振り込みが遅れると五万円以上の遅延金を請求する。これを聞いた人は当社と利用契約を結んだことになる」と一方的に説明、詐欺罪の適用をかわそうとする工夫もしている。

 アダルト電話の正規の利用料は一分百円。料金の振り込み方法と口座番号を知るには面倒な手続きが必要なため、聞き流す利用者は多い。しかし料金を振り込まず約二カ月がたつと、業者は電話で約五万五千円の遅延金を要求、さらに「入金が遅れると債権を回収業者に譲渡するので、手数料などで債務は百万円以上に膨らむ」と通告する。この場合、利用者を脅迫する文言がなければ、恐喝罪には当たらないという。

 身に覚えのない有料アダルト番組の遅延金を請求される事案は全国で多発しており、この場合は詐欺罪の適用も想定される。しかし、実際にアダルト電話を利用し遅延金を請求されたケースでは、電話をかけたこと自体に後ろめたさを感じ、家族や職場への取り立てを恐れ、法外な遅延金を入金する人が多いという。振込人は北海道から沖縄県まで全国に及ぶ。

 国民生活センター(東京都港区)は「法外な遅延金は消費者契約法に定められた上限金利14・6%を大幅に上回る不当請求。払う必要はない」と話す。加えて、取り立ての際の手数料や交通費、人件費は民法上、業者の負担となる。

 利用者は注意深くガイダンスを聞き、正規の利用料を期日までに支払えば、法外な遅延金を請求されることはない。違法な遅延金に対する知識を身に付け、払わないという勇気も必要のようだ。

 消費者問題に詳しい斎藤雅弘弁護士は「法外な遅延金は払う必要のない金だと知らない利用者に対し、業者は摘発されないことを逆手に取って請求を迫っている」と現状を指摘。「刑事事件としての立件は証拠が残りづらく面倒だが、何とか取り締まってもらいたい」と業者への法的措置の強化を訴えている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030312/eve_____sya_____003.shtml

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