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2003年02月26日(水) 08時30分
男女共同参画条例 表現の自由侵害も(産経新聞)全国95市町村が定めている男女共同参画社会の推進条例の中に、男女の固定的役割意識を排除しようとするあまり、憲法で保障された「表現の自由」や「報道の自由」さえ阻害しかねない規定が盛り込まれている例の多いことが25日、産経新聞社の調べで分かった。また市町村では都道府県の条例に比べ、男女共同参画と「ジェンダー(社会的・文化的に作られた性差)フリー」とは異なるとした政府見解から逸脱した条例が目立つほか、男女共同参画の推進状況によって入札参加資格を制限する規定もあった。「表現の自由」などに抵触する恐れがあるのは、「固定的な性別役割分担を連想させる表現を行わないよう努めなければならない」などとする条例。全国25を超える自治体で同様の規定がみられるが、だれがどういう基準で「問題」と判断するかはあいまいだ。 規制の対象は「広告、ポスターなど公衆に表示するすべての情報」(水戸市)、「公に発信しようとする情報」(千葉県市川市)、「あらゆる情報」(三重県桑名市)など。性別役割分担を直接表現したものだけでなく、「連想させる」ものについても「何人も行ってはならない」「してはならない」などと定めており、出版、文学、広告などの表現活動の自由を保障した憲法21条との整合性に疑問が残る。 また男女共同参画社会について「ジェンダーフリーの実現に努める」(福島市)と規定し、「ジェンダーフリー社会を目指してはいない」(内閣府の坂東真理子男女共同参画局長)と真っ向から食い違う条例も。島根県出雲市では「『男だから』『女だから』といったジェンダーではなく…」と男らしさや女らしさを否定。市川市では苦情処理担当者らに「ジェンダーを解消する研修を行わなければならない」と明記している。さらに福岡県福間町では公共事業の入札希望企業に社内の男女共同参画推進状況の届け出を義務付け。中絶に一定の制約を設けた母体保護法や刑法(堕胎罪)との矛盾が指摘されるリプロダクティブライツ(性の自己決定権)を規定した自治体も名古屋市や大阪市、札幌市など40を超えている。 一方、山口県宇部市や岐阜県高山市などの条例は「男らしさ女らしさを一方的に否定することなく男女の特性を認め合う」立場をとっている。こうした文言は都道府県では茨城、東京、大阪、宮城、広島の各都府県でも盛り込まれている。
≪理念を拡大解釈≫ 百地章・日大教授(憲法)の話「男女の固定的役割を『連想させる』のもいけないというのは男女共同参画社会基本法の理念の拡大解釈であり、表現の自由を侵害する恐れがある。また表現の自由を制限する場合は厳格な基準が必要だが、『連想』ではあいまいで主観的すぎ、これに基づく規制などは絶対に許されない。さらに規制対象に民間の新聞や雑誌、ポスターなども含めているのは明らかに表現の自由の侵害と思われる。ここまでくれば言葉狩り、表現狩りではないか」
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