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2003年02月22日(土) 11時59分
食べる花粉症治療に道 コメの遺伝子組み換え(産経新聞)スギ花粉症の原因となる物質の遺伝子を組み込んだコメをマウスに食べさせ、花粉症の症状を引き起こす免疫の働きを抑えることに、慈恵医大の斎藤三郎・助教授(免疫アレルギー学)と東北大農学部などが22日までに成功した。呼吸困難やしびれ、ショック状態などの副作用は見られず、“食べる花粉症治療”に道を開く成果。遺伝子組み換え食品を口にすることへの抵抗はありそうだが、人間でも安全性や効果が確認できれば、新たな予防、治療法として期待される。 スギ花粉症は、体内に入った花粉で、異物を防御する複数の免疫細胞が過剰に働き、発症する。原因物質として花粉に含まれる複数のタンパク質が特定されている。 花粉症の根治には、原因となる花粉エキスを注射して体を慣らし、発症を防ぐ減感作療法が行われている。ただ、反応を見ながら徐々に投与量を増やしていくため、個人差もあるが、数年間の定期的な注射が必要。治療できる医療機関が限られる問題もある。 そこで斎藤助教授らは、原因物質を組み込んだコメを食べても同様の効果が期待できるとみて、1種類の原因タンパク質の遺伝子をイネに組み込み、このタンパク質を含むコメをつくった。 マウスにこれを2週間食べさせた後、スギ花粉症の原因タンパク質に触れさせたところ、免疫細胞の中心となるT細胞の増殖が、このコメを食べなかったマウスの約3分の1に抑えられた。 T細胞に連動して働く免疫細胞であるB細胞も働きが抑制され、花粉症の治療につながる効果がみられた。 このコメを100度で約1時間半加熱しても、効果が落ちないことを確認しており、調理の影響も受けないという。 ■スギ花粉症 体を異物から防御する免疫システムがスギ花粉に対し過剰に反応し、抗体やヒスタミンなど種々の物質の作用で鼻水やくしゃみ、頭痛などの症状を起こす。患者は、国民の一割を超え、都市では二割以上とのデータがある。抗ヒスタミン剤などの対症療法のほか、花粉エキスなどを注射して体を慣らす減感作療法が根本的な治療法とされるが、効くまでに長期間かかり、副作用が出るケースもある。
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