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2003年02月08日(土) 03時01分

流用:使途不明金発覚の生協で理事長が財産取り崩し 福岡毎日新聞


 約4500万円の使途不明金が発覚した婦人会系の生協、コープ福婦(本部・福岡市博多区)の理事長、秋田幸子・全国地婦連会長が、関連財団法人の基本財産を無断で崩して1100万円を運用口座に移し、そこから「全国会長行動費」名目で98万円を流用していたことが分かった。財団の欠損金は同コープに穴埋めさせていた。財団を管轄する福岡県教委は「取り崩しが事実なら問題」として財団から事情聴取を始めた。

 この財団は福岡婦人問題研究所(博多区)。理事長は秋田会長。財団によると、00年5月に基本財産の定期預金口座(額面2億7600万円)を解約し、新たに二つの定期口座(計2億6000万円)を開設。残る1100万円は財団の普通預金口座に振り込んだ。

 福岡県規則で、財団の基本財産の処分には理事会の議決と県教委の事前承認が必要だが、当時の県婦連職員は「秋田会長から『定期を解約して』と言われ、銀行の貸金庫に通帳を取りに行った。理事会で議論はしなかった」と証言する。

 複数の関係者によると、秋田会長はこの前後に「全国会長行動費」として50万円を1回、毎月4万円を12回の計98万円を受け取った。この他「運営費」として県婦連に12万円が渡っていた。

 財団は年度末決算が迫った01年3月「全国会長行動費」「運営費」分の計110万円を補充するため同コープから同額を借り、1100万円の定期口座を新設。財団から3月末時点の基本財産額を報告された県教委は、操作に気付かなかった。

 この後、財団は基本財産全額を一つの普通口座に移し、02年3〜9月に国債と県債を計2億2000万円で購入。さらに普通口座(残高5600万円)の通帳を新しいものに替えたため、現在の通帳には一連の操作の跡が全く残っていない。

 昨秋、多額の使途不明金が発覚した同コープの精算で、財団からの未収金110万円が問題になり、財団は国債利子などで生協に返済している。

 秋田会長は財団資産を巡る金銭の動きについて「基本財産を壊すのはいけないこと。覚えがない」と完全否定している。 【神戸金史、反田昌平】

[毎日新聞2月8日] ( 2003-02-08-03:01 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030208k0000m040183000c.html

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