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2003年02月07日(金) 17時00分
迷惑ツールバー『Xupiter』の作者は、ネット界のならず者親子?(WIRED)インターネット上で最も悪らつなプログラムと、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ、両者に共通点があるとしたら何だろう?答えは、どちらもネット界で最も悪名高いビジネスマン2人が所有するウェブサイトの宣伝に利用されていることだ。 http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030131301.html 多くのインターネット利用者を困らせている(日本語版記事)ブラウザー用ツールバー・プログラム『Xupiter』は、サイードとその息子ダニエル・ヨムトビアン氏が作り出したものだ。親子はどちらも、自分たちのビジネスを押し売りするための革新的なインターネット利用法を編み出すことに熟練している。 ドメイン名の登録記録によると、『Xupiter.com』はハンガリーのある会社が所有していることになっているが、本当の所有者はカリフォルニア州シャーマンオークスに住むヨムトビアン親子だと情報筋は述べている。 ヨムトビアン親子は http://groups.google.com/groups?hl=en&lr=&ie=ISO-8859-1&q=Yomtobian スパムメールの送付でもよく知られ、他人のメールサーバーを乗っ取ってポルノサイトの広告メールを流しているとして非難されている。 ヨムトビアン親子はまた、紛らわしいURLでウェブサイトを開設することにも長けている。世間でよく知られているサイトと酷似したURLをわざと使い、ユーザーが間違えて彼らの作ったサイトのいずれかにたどり着くよう仕向けるのだ。ヨムトビアン親子は、URLを真似されたサイト運営者との間に起きた http://www.google.com/search?q=Saeid+Yomtobian&hl=en&lr=&ie=ISO-8859-1 紛争に多くの時間を費やしている。 ユーザーはたいてい、URLの入力をほんの少し間違えたときにこの計略に引っかかり、本来行くつもりだった著名サイトの代わりに賭博サイトやポルノサイトへと連れて行かれてしまう。 紛争に関する記録によると、『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ロサンゼルス・タイムズ』紙のサイトも、ヨムトビアン親子に紛らわしいURLを使われたという。 サイード・ヨムトビアン氏は2001年7月、米ベリサイン社を提訴したことがあった。当時、ヨムトビアン氏は7万8472件のインターネット・ドメイン名を所有していたが、ドメイン名登録を手がけるベリサイン社のソフトウェアがヨムトビアン氏の登録ドメイン名2000件を抹消してしまったとして、650万ドルの賠償金を要求したのだ。結局訴えは取り下げられたようだが、ヨムトビアン氏は現在、自身でドメイン名登録サービスを提供している。 この訴えを起こした際、ヨムトビアン氏は自身の会社、米ヨムトビアン・エンタープライゼズ社の名前を使った。この社名をキーワードに http://www.google.com/search?hl=en&lr=&ie=ISO-8859-1&q=Yomtobian+Enterprise 検索を行なうと、またしても多数の紛争の記録がヒットする。 ヨムトビアン氏が所有するサイトのコンテンツは実に多彩で、そのテーマにはセックスが上達するためのトレーニング法や異種生物間に芽生えたロマンスといったものもあれば、インターネットの広告会社、さらにはダライ・ラマの帰国を願うチベットの子どもたちというものまである。だが、これらほぼすべてに共通することが1つだけある。それは、サイトを訪れると同時に、Xupiterツールバーのダウンロードを促すオプションが表示されることだ。 許可していないのにXupiterが勝手にインストールを開始し、コンピューターを乗っ取ってしまったと訴えるユーザーは多い。 セキュリティー専門家の中には、ユーザーの同意なしにXupiterがコンピューターにインストールされることはあり得ないという人もいる一方で、古いバージョンの『インターネット・エクスプローラ』(IE)にある既知のセキュリティーホール——ウェブサイト上の悪意あるコードが、自動的にダウンロードされ、実行され得るというセキュリティーホール——を指摘する人もいる。 最新バージョンのIEや、旧バージョンでもパッチを適用しているIEでは、Xupiterの自動インストールの被害に遭うことはないはずだ。ところが、ソフトウェアが最新であっても、それだけではXupiterの猛攻からユーザーを守りきれない可能性があることを示唆する話もある。 米マイクロソフト社ヘルプセンターの技術サポートスタッフによれば、マシンにインストールされた『ウィンドウズXP』に、Xupiterが「異常をもたらして」いるという報告がいくつか寄せられているという。 「Xupiterはシステム全体に異常をもたらし得る。『マイコンピュータ』や他のディレクトリーを開けられないようにしてしまう恐れがあるのだ。そうなると、ちょっと不便どころの騒ぎではない。システムに重大なトラブルを引き起こす。この問題への対処法を教えてほしいという要望が多く寄せられている」と、匿名で取材に応じたあるスタッフは語った。 ヨムトビアン親子にコメントを求めたが、今のところ反応はない。 ドメイン登録者に対して、正確な住所やその他の連絡先の提出を義務付ける法的規制はない。中には、この抜け穴を利用して身元を隠したり、他の国では法規制の対象になるかもしれない怪しげなビジネスを行なうために、そうした活動を禁じる法律のない国の住所でドメイン登録をしたりする者もいる。 Xupiter.comの所有会社があることになっているハンガリーの法律専門家は、同国の現行法の下ではXupiterに対処できる方法はあまりないと述べている。Xupiterについての記事を読み、問題の会社の所在を探そうと申し出たハンガリー在住者がいたが、彼らによれば、ドメイン登録情報に記されていた住所に、この会社を見つけることはできなかったという。 米国でも、Xupiterが法律に違反しているかどうかの判断は難しいと弁護士たちは述べている。 刑事事件を専門とするモリス・フェルダー弁護士は、次のように語った。「Xupiterは、ソフトウェアにすでに存在する問題点を利用しているのであって、新たに問題点を作り出しているわけではない。だから、Xupiterが勝手にインストールされてしまうとは知らなかったと主張できるかもしれない。だが、既存のセキュリティーホールを利用するということならウイルスも同じで、ウイルスをばらまくことは違法行為とされている。肝心なのは、Xupiterを作った人間たちが悪意を持っていたと証明できるかどうかだ」 [日本語版:藤原聡美/高橋朋子]日本語版関連記事 ・ http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030131301.html ブラウザーを乗っ取るアドオン・ツールバー『Xupiter』 ・ http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20021017303.html システム管理者からの警告を装ったポップアップ広告『メッセンジャー・スパム』 ・ http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20021011105.html 悪化の一途をたどるサイバー・セキュリティー ・ http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20021004106.html カリフォルニア州でスパム業者の取締りに本腰 ・ http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20020125302.html ファイル共有ソフトに新たなスパイウェア見つかる ・ http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20020108303.html ファイル共有プログラムに潜む『トロイの木馬』 ・ http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010710303.html 広告やクッキーやウェブサイトを遮断するブラウザー・アドオンが登場 WIRED NEWSのメール購読申込みは http://www.hotwired.co.jp/reception/index.html こちらへ (WIRED) |