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2003年01月20日(月) 12時43分
<ジー・オー事件>大神被告、起訴事実を全面否認 東京地裁 (毎日新聞) 「ジー・オーグループ」(本部・東京都港区)の巨額詐欺商法事件で、組織犯罪処罰法違反(詐欺)や詐欺罪に問われた元名誉会長の大神(おおがみ)源太被告(40)は20日、東京地裁(出田孝一裁判長)の初公判で「無罪を主張します」と述べ、起訴事実を全面否認した。検察側は冒頭陳述で、被害者135人、立件総額13億円超に達した悪質な手口を詳述した。 午前10時、103号法廷。紺のスーツ姿の大神被告は、傍聴席を見回したり、天井を見上げるなど落ち着かない様子。被害者数が多く、手口も複雑であることから、通常数分で終わる起訴状の朗読が、約1時間に及んだ。 その後の認否で、大神被告は「フィリピンで詐欺に遭ったのと、マスコミが騒いだので破たんした。自由の身になったら必ず返還する」と話した。さらに「未返還になり申し訳ない。会員を家族と思っている」と時折、涙声を交えて訴えた。 他に起訴された元同グループ幹部の多田藤憲被告(55)ら4人は、起訴事実を認めたため、審理を分離された。 起訴状によると、大神被告は97年3月〜昨年1月、「通信販売事業や企業買収に投資すれば年間12〜20%の利益が出る」などと持ち掛け、会員135人から13億4355万円余をだまし取った。うち10億6870万円余については、組織犯罪対策3法の一つとして00年2月に施行された同法違反に、その他は詐欺罪に問われている。 刑法の詐欺罪は懲役10年以下だが、組織を利用した詐欺行為に適用される同法は、懲役1年以上15年以下と規定している。 【小林直】 ■「欲刺激すれば貧乏人、金出す」 検察冒頭陳述で手口 検察側は冒頭陳述で、大神被告が詐欺商法を始めた経緯や手口を詳述した。一方で、被害回復は絶望的な状況だ。 ◆「案外ちょろい」 違法訪問販売事件で95年、罰金30万円の略式命令を受けた大神被告は「思ったより軽い。案外ちょろいもんだ」などと、詐欺的商法が重い刑事処分にはつながらないと考えた。「貧乏人は欲が深いから、欲を刺激したら必ず金を出す」。これが当時の口癖だった。 今回の事件で、自らが発案した訪問販売への投資システムを始める直前には「(客には)ここでもうけさせ、ここで『どぼーん』と損をさせる」などと社員に説明。社員らは「これって完全な詐欺だよね」などと話し合ったこともあった。 ◆吉野ケ里計画 96年末ごろ、土地買収の見込みがないのに、吉野ケ里遺跡(佐賀県)周辺にレジャー施設の建設を計画。「吉野ケ里プロジェクト」と名付け、「新施設で金券として利用できる」などと、自分の顔のすかしを入れた書面を売りつけた。この後も、130%の配当を確約する別の特別企画などを打ち出した。 ◆名前隠し 大神被告は96年7月、それまでの手法では自分が表に出るため、社長を知人とし、自分が会長として経営を支配する新会社「ジー・コスモス」を設立した。新会社になっても、「どぼーん」の手法は継続された。 グループは5年半で、会員約3万3000人から約336億円を集めた。会員に対し返済不能になったのは、計約196億円。これに対し、確保されている資産は1億円に満たない。 [毎日新聞1月20日] ( 2003-01-20-14:47 ) http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=20mainichiF0120e051&cat=2 |