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2002年12月31日(火) 22時32分

日本郵船、58億円の所得隠し 追徴税額は約27億円に産経新聞

 海運業界最大手の「日本郵船」(東京都千代田区)が東京国税局の税務調査を受け、船舶を保有する取引先子会社の所得をめぐり2000年3月期までの5年間に約58億円の所得隠しを指摘されていたことが31日までに分かった。

 この子会社はパナマなどタックスヘイブン(租税回避地)に置かれており、同郵船が実質的に支配しているとして、子会社の所得を同郵船の所得と認定された。追徴税額は重加算税を含め約27億円に上るとみられる。

 海運業界では、日本籍にした場合のコスト高などを避けるため、パナマなどに設立した子会社に船を所有させるケースが多く、その場合、タックスヘイブン対策税制で、子会社の所得を日本国内の親会社の所得に合算することが義務付けられている。

 関係者によると、日本郵船は1990年代後半以降、約10隻の貨物船を取引先2社に売却。この取引先はパナマなどの子会社で所有し、同郵船が貨物船をリースして運航していた。

 ところが、取引先やその子会社が、船を勝手に処分できないような取り決めなどがあったことが判明。国税局は、所得の合算を避けるため、形式的に船舶の所有を移したもので、取引先子会社を実質的に支配しているのは同郵船と認定したとみられる。

 日本郵船は1885年に設立。世界20数カ国に100カ所以上の物流センターを持つ業界最大手。グループの運航船舶数は約580隻に上り、2002年3月期の単体売上高は約7400億円に上っている。

 日本郵船側は「指摘に納得したわけではないが、結果として国税の見解には従った」としている。

http://www.sankei.co.jp/news/021231/1231sha030.htm

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