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2002年12月18日(水) 14時30分

ヤミ金融1365業者を出資法違反で告発読売新聞

 法定金利をはるかに上回る高金利で暴利をむさぼるヤミ金融問題で、多重債務者の救済などに取り組んでいる全国1都7県の被害者団体は18日、延べ1365業者を出資法違反(高金利)の容疑で警視庁や各県警本部に一斉に刑事告発を始めた。今後、他の7団体も同様の刑事告発を行う方針。これで、今年に入っての被害者救済団体による告発は延べ約5000業者に上る見通しとなり、ヤミ金融の被害が深刻化していることを示している。

 告発しているのは、「太陽の会」(東京)や「東京クレジット・サラ金問題研究会」(同)、「広島つくしの会」など1都7県の12団体。被害者は計87人で、1人当たり平均15業者から融資を受けている。

 千葉、長崎などの7県7団体も近く、延べ1300業者の告発を予定しており、これまでに21都道府県の27団体が告発した分と合わせると延べ約5000業者に達する。

 告発対象の業者の大半は、出資法の上限金利(年29・2%)をはるかに上回る年1000%以上の「超高金利」で融資していた。融資額は5万円以下がほとんどだが、返済期限を短期に定めることで、返済が滞れば雪だるま式に利息が増える仕組みになっていた。さらに暴力的な取り立てを行うケースもあった。

 出資法違反(高金利)や貸金業規制法(取り立て行為の規制、無登録営業)の罰則は、いずれも3年—1年以下の懲役、300万円—100万円以下の罰金。被害者団体では悪質な業者が、多重債務者側に法律の知識がないことにつけ込み、違法な融資を繰り返しているとして、捜査当局による摘発を求め、ヤミ金融被害を減らしたい考えだ。

 また、告発対象業者のうち、貸金業者として登録しているケースについては、登録を許可した各都県などに通報し、登録取り消しの行政処分を求める方針。

          ◇

 債務者の相談を受けて、債務整理の交渉を手助けする被害者団体には、今年になってから違法な高金利で営業するヤミ金融に関する相談が急増。埼玉県桶川市の「夜明けの会」には500人以上がヤミ金融の被害を訴えて駆け込み、自己破産に追い込まれる例も相次いでいる。「太陽の会」にも多重債務について610人の相談者が訪れたが、9割はヤミ金融の相談だった。

 被害者団体などに寄せられたヤミ金融の被害例には、次のようなものがある。

 【小学校に取り立て】

 数万円の生活費を借金した広島県内の40代の男性宅に、返済を迫る電話が頻繁にかかり、妻が体調を崩した。自宅の電話線を抜いたところ、今度は子供が通う小学校に電話が入り、校長や教師に対し、「子供を出せ」「親が借金を返さない以上、子供に返させる」とどう喝した。

 【半裸の写真】

 都内の20歳代の女性は、「安心真心サービス」と書かれたチラシを見て10万円を借りたが、事務所で上着を脱がされて半裸の写真を撮られた。そのうえ、「逃げ隠れしてみろ、200万円を返させるぞ」「撮った写真は風俗業に流す」などと脅迫された。

 【年利3000%】

 神奈川県の70歳代の男性は、ダイレクトメールを見て3万円を借りたところ、10日後に返済金額は5万5000円に膨らんだ。年利にすると3000%を超す利息。返済期限が過ぎると自宅の電話は鳴りっぱなしになり、男が自宅を訪れて「家をむちゃくちゃにする」と脅された。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021218-00000104-yom-soci

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