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2002年12月16日(月) 07時16分

個人情報漏えいなら住基ネット切断も 福島・矢祭町河北新報

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)に参加していない福島県矢祭町が、参加の前提として策定作業を進めていた独自の個人情報保護条例案の内容が15日、明らかになった。町民の個人情報が漏えいしたと判断される場合、町長が住基ネットの切断もできることを明記。町条例でありながら、漏えい時の福島県の責務を盛り込んだ上、県が町の意向を尊重するとの覚書まで取り交わすという全国でも例のない内容だ。



 町は17日に臨時議会を招集して条例案を提出する予定で、可決される可能性が高いとみられる。

 条例案は14条で構成。6条で、町民の個人情報の不適正利用に対する措置を規定。「町長は、町民の本人確認情報の提供にかかる電気通信回線の切断等に必要な措置を講ずる」とし、町長判断での住基ネット切断を可能にした。



 福島県の責務は5条に盛り込んだ。県管理の個人情報に漏えいがあった場合、「町長は県に速やかに報告を求め、適切かつ迅速に必要な措置を求める」と明記。住民が損害を被った場合には「町長が県に対し、損害賠償について適切かつ迅速な処理に努めるよう求める」とした。町長が国などに対し何らかの処理を求める場合は、県が協力することもうたっている。



 条例案の県の責務に関し、矢祭町と福島県は13日に覚書を締結。住基ネットの運用で「万が一にも不測の事態が生じた場合、県は矢祭町の意向を尊重しながら、万全の措置を講ずることを確約する」とした。川手晃副知事と根本良一矢祭町長が署名押印した。

 条例が成立すれば、住基ネット参加への前提条件が整う。ただ、町民には住基ネットへの拒否反応が強く、可決されたとしても根本町長が参加を決断するかどうかは不透明な状況だ。

[河北新報 2002年12月16日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021216-00000007-khk-toh

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