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2002年12月13日(金) 03時01分
ハローワーク:山口県内2カ所でパソコン盗難 個人情報が流出(毎日新聞)山口県内の2公共職業安定所(ハローワーク、職安)で10〜11月、ノートパソコンが相次いで盗まれ、一部のパソコンに残っていた障害者の個人情報が“流出”していたことが、分かった。障害者らからの被害報告は今のところないが、役所の個人情報管理の在り方が厳しく問われそうだ。比較的新しい機種だけ盗まれており、県警下関署などが窃盗事件とみて捜査している。 【和田武士、渡辺亮一】 盗まれたのは下関市と小野田市にある職安。両職安によると、小野田は10月30日午前8時前、下関は日曜の11月24日午後2時ごろ、出勤した職員が気付いた。被害は小野田7台(うち1台は私物)、下関12台。いずれも退庁時に職員が机に置いていた。 下関で盗まれたパソコンの1台には、9月にあった障害者のための合同就職面接会の案内状作りで使った名簿約280人分が、ハードディスクに保管されていた。名簿は求職票に基づいて作成。身体・知的障害者の住所、氏名とともに▽障害の部位▽希望職種▽自動車運転免許の有無——について記載があった。小野田職安で盗まれたうちの数台には、管内2市2町の約200の事業所の所在地や電話番号などのデータが保管されていた。 下関職安によると、プライバシーなどにかかわる重要情報は通常、CD—RW(書き込み可能なCD)や所内のサーバーと呼ばれる記憶媒体に保管する。小野田での事件を受け下関職安は保管方法の厳守を指示していたという。個人情報がパソコンに残っていたことについて同職安は「記憶媒体への移し漏れだと思う」と説明している。 2カ所とも窓ガラスが割られ、深夜から未明にかけて侵入されたらしい。金庫がある所長室以外は警備会社との機械警備契約を結んでいなかった。パソコンの被害は計約170万円相当。 藤井義人・下関公共職業安定所長は「情報管理などに十分気をつけていたつもりだったが、結果として、盗難に遭ってしまった」と話している。 日本身体障害者団体連合会の森祐司・事務局長の話 障害者、健常者問わず、個人情報が漏れてしまうことは絶対あってはならない。私生活への影響を考え、障害について知られたくない人もいる。セキュリティーを万全にしてもらいたい。 ◇防犯体制甘く 不況で利用者が急増、不特定多数の個人データが集まる職安の防犯体制はいったいどうなっているのか。夜間や休日などの体制について、厚生労働省地方課は「状況について把握はしていないが、警備員配置や機械警備設置をしているケースは少ないと思う」と話す。 同課によると今年、所管の地方機関が受けた盗難などの主な被害は、佐賀県の唐津労基署=5月、窓ガラスが割られ、室内を物色▽熊本県の阿蘇労基署と阿蘇職安=6月、共に窓ガラスが割られ室内物色▽京都府の舞鶴職安=7月、ノートパソコン1台盗難▽舞鶴労基署=8月、ノートパソコン7台盗難——など。事件当時は夜間警備はなかった。事件後、唐津労基署は民間警備会社と契約した。 [毎日新聞12月13日] ( 2002-12-13-03:01 ) http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20021213k0000m040156000c.html |