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2002年11月30日(土) 03時30分

<障害者基本計画>「脱施設」明記 抜本的な政策変更に毎日新聞

 障害者施策の今後10年の基本方針を定める政府の「新障害者基本計画」(原案)が29日、明らかになった。地域生活の基盤整備を重点課題とし、「入所施設は真に必要なものに限定する」と明確に「脱施設化」を打ち出した。知的障害者については、多くの先進国で入所施設が解体されているが、日本では10万人以上が施設で暮らし、現在も増設されている。同計画は「障害の有無にかかわらず人格と個性を尊重し支え合う共生社会」を理念に掲げており、日本の障害者福祉も脱施設化に向けて抜本的な政策変更が進められることになる。

 同計画は「建物、情報、制度、慣行などでのバリアフリーの推進」「地域での自立生活を基本に、障害者自らがサービスを選択できる援助体制づくり」などを強調。施設サービスの再構築については「『障害者は施設』という認識を改めるため、保護者、関係者、市民の地域福祉への理解を促進する」として、(1)入所施設は地域の実情を踏まえて真に必要なものに限定する(2)障害の重度化や高齢化に対応する専門的ケアの確立(3)施設の一層の小規模化、個室化を図る——と明記した。

 精神障害者は、約33万人が入院しているが、「できる限り地域で生活できるようにするため、居宅支援事業の普及を図り、退院可能な人の社会復帰のために必要なサービスを整備する」とした。

 また、障害者への虐待や権利侵害の多発を受け、地域での権利擁護システムの導入を促すとともに、知的障害者や精神障害者本人の政策決定プロセスへの関与を支援することも明記した。

 「公務員など公共サービス従事者の障害者理解の促進」も盛り込み、警察、司法、交通機関、消費生活センターなど、障害者の地域生活や権利擁護にかかわる機関の理解の必要性を指摘した。

 同基本計画は12月下旬に閣議決定し、正式発表される。 【野沢和弘】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021130-00000177-mai-soci

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