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2002年11月07日(木) 03時01分

<シックハウス>新設校に通えない 滋賀の児童、通学困難に 毎日新聞

 学校の微量の化学物質で児童らが体調を崩して苦しむ「シックスクール」の問題で、新築の自宅に住んでいて化学物質過敏症(CS)になった滋賀県の小学生と保育園児が、来春から新たに通う予定の新設小学校で国の指針値を超える化学物質が検出されたため、通学困難な見通しになっている。2人の両親らでつくる市民団体は「教育を受ける権利にかかわる重大問題」と文部科学省に対し、地元の教育委員会に改善を指導するよう要望した。

 滋賀県水口町に住む山西華代さん(36)の長男(10)=町立伴谷小5年=は生後約半年で新築住宅に入居し、アレルギー症状が出た。妹の長女(6)と二女(4)=ともに保育園児=の2人も同様の症状になり、華代さんも99年に視野が狭くなるなどの症状が出て、医師にCSと診断された。

 99年の調査で、自宅は築後7年もたつのにシックハウス症候群の原因物質になるホルムアルデヒドが国の指針値の2倍検出された。自宅を改築すると、華代さんの症状は回復した。

 ところが、長男は伴谷小に入学直後から、目の充血、頭痛、熱っぽいなどの症状が出た。塩素剤入りのプールに入ったり、化学物質のにおいがするエレベーターに近づいたりすると鼻血が出た。長女もかぜ薬を飲むと体調が悪くなるなどの症状があり、2人ともCSと診断された。

 人口増加に伴って03年春に開校予定の伴谷東小に長男と長女が通う見通しが99年に伝えられた。華代さんは00年、町教委や町長に「新設校の建材などは安全なものを使用してほしい」と要望書を出した。しかし、新設された伴谷東小の校舎で、シックハウス症候群の原因物質になるトルエンが国の指針値の約21倍、ホルムアルデヒドが1・6倍検出されていたことが今年8月に分かった。

 長男は今も、化学物質のにおいがすると「鼻が痛い。気持ち悪い」と話した後、鼻血がどっと出てくるという。華代さんは「町は『安心してくれ』と言っていたのに。このまま新設校にはとても通わせられない」と話す。今年7月、新設校に転校予定の児童約20人の父母と一緒に「伴谷東小のシックスクールを考える会」を結成した。

 水口町の太田正教育長は「施工業者に良質の材料を注文するなど配慮したつもりだった。現在、換気扇や防湿材で対策をしており、開校までに問題を解決したい」と話している。 【大島秀利】


[毎日新聞11月7日] ( 2002-11-07-03:01 )

http://news.lycos.co.jp/society/story.html?q=07mainichiF1107m168&cat=2

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