医師や弁護士らで作る「薬害オンブズパースン会議」（鈴木利廣代表）は２８日、坂口力厚生労働相に対し、サリドマイドの個人輸入を禁止し、一定の計画に基づいて行われる臨床試験目的に限って輸入を認めるよう求める緊急要望書を出すことを決めた。

　個人輸入されたサリドマイドが医師の裁量で使われている実態について、東京都立北療育医療センターの別府宏圀院長ら同会議のメンバーは同日午後、都内で会合を開き、「有効性、安全性の確認手続きがないまま使われている実態を直ちに規制すべきだ」との意見で一致。来月初めにも坂口厚労相に（１）サリドマイドの個人輸入を禁止し、臨床試験（臨床研究）目的の輸入に限定する（２）臨床試験計画や施設内倫理委員会の管理下で使用する——の２点を緊急要望することを決めた。

　鈴木代表は「大規模な薬害を引き起こした薬が何のルールもなく使われている事態は、薬事法の脱法行為とも言うべき状況だ。厚労省は安全性確保のための手続きを定める必要がある」と話している。　【須山勉】


［毎日新聞９月２９日］ ( 2002-09-29-03:01 )

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