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2002年08月16日(金) 03時21分

<日本ハム>東証が調査 改善報告書提出要求へ毎日新聞

 日本ハムグループの牛肉偽装で、東京証券取引所は、日本ハムが偽装の事実を公表しなかったのは、業績に大きな影響を与える情報の開示を求めた規則に違反する疑いがあるとして調査を始めた。規則では、改善がみられない企業には上場廃止もあり得る。日本ハムの株価は発覚前より半値近くに下落し、同社は「株主代表訴訟の可能性もある」と危機感を募らせており、偽装の隠ぺいは証券市場でも厳しい追及を受けそうだ。

 日本ハムの牛肉偽装は今年2月、代表権のある東平八郎副社長と、庄司元昭取締役専務が把握していた。ところが、同社は5月21日の決算取締役会以降も「日本ハムグループでは表示の偽装などは起こりえないことだが、企業倫理や順法経営を再度社内に徹底させた。こうした姿勢と行動は、将来の利益として還元されると確信する」などとする投資家向けのリリースを配布していた。

 ところが、8月6日に偽装が発覚した後、同社の株価は急落し、15日の終値は838円と、偽装発覚直前の1453円(6日終値)から615円も下落した。ある外資系の証券会社が顧客向けにまとめたリポートは、02年度の食肉部門の営業利益は94億円減、当期利益は85億円の赤字と予測している。

 東証では日本ハムの一連の対応が同取引所の「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則」に違反する疑いがあると見て事実関係の調査を進めており、日本ハムにこれまでの経緯の文書報告を求めている。この規則は、投資家が安心して投資できるよう、経営に大きな影響を与える情報を適時開示する義務を課したもので、違反した会社には「注意銘柄」として投資家に警告したり、改善されない場合、上場廃止もありうる。

 東証は「(偽装は)投資判断にかかわり、開示されるべき重要事項にあたる可能性がある」として今後、日本ハムに改善報告書の提出を求める見通し。日本ハムも報告書作成の準備を進めており、幹部は「偽装が直近の3月期の決算に反映されていないことはほぼ明らか。このままでは株主代表訴訟を起こされるかもしれない」と話している。 【BSE取材班】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020816-00000122-mai-soci

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