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2002年07月29日(月) 13時08分
NTT、ワン切り業者の回線停止(産経新聞)29日午前10時すぎ、大阪府全域で電話の一般回線などがかかりにくくなる通信障害が発生した。NTT西日本は、大阪府と兵庫県尼崎市の通信を最大で50%規制するとともに、大量に発信を繰り返している「ワン切り」業者とみられる大阪市北区のユーザーの回線を利用中止にした。 この種の障害で特定利用者の通信中止は、NTT発足以来、全国で初めてという。 一般電話への通信の規制は午前11時40分ごろまでにほぼ解除された。 大阪では15日午前にも、同じ業者が、ワン切りとみられる発信を携帯電話などに対して大量に繰り返し、通信量が増加。同社が交換機を規制し、約2時間にわたり通信障害が発生しており、同社は29日の通信障害もこの業者が原因だとしている。 同社によると、29日午前10時10分ごろ、業者からの大量の発信により、通信量が急増した。電話が通じにくくなったため、この業者の回線を扱う交換機からの携帯電話への発信を50%規制。同20分ごろ大阪府全域と兵庫県尼崎市から、大阪府堺市など市外局番が072で始まる地域や携帯電話などへの発信を50%、同35分ごろからは大阪府などへの発信も25%規制した。さらに午前10時59分、原因とみられる業者の回線を全面的に利用中止した。 このため大阪府全域と尼崎市の計516万回線で影響が出たという。 この業者は15日、計216回線を使い、携帯電話やPHSにワン切りとみられる発信を3分間当たり4千数百回繰り返したとして、NTT西は「同様の事態が起きれば利用中止の措置を取る」と通知。業者の回線の監視を強めていた。 NTT西日本には正午までに、約2200件の苦情や問い合わせがあったという。 ■「なぜ大阪ばかりで」 2週間前、大規模な通信障害が発生したばかりの大阪府などで29日、広範囲で電話がつながりにくくなった。またも週明けの月曜日。関西経済の中心地は取引などで殺到するはずの電話がほとんど鳴らず、混乱。行政の業務にも支障が出て、「またワン切りが原因か」「なぜ大阪ばかりで」と怒りとあきらめの声があふれた。 大阪市中央区の岩井証券。客からの売買注文が入りにくくなり、急きょ携帯電話からかけてもらうよう対応を切り替えた。社員は「問い合わせも増えて困っている。なぜ大阪だけで起こるのか。NTTは何とかできないのか」と憤った。 大阪市中心部にある他の証券会社でも、顧客との電話やファクスがつながりにくくなった。つながった客からは「なんで電話がかからない」などと苦情を言われ、「今回も復旧をただ待つしかないのか」とあきらめ顔。別の証券会社も「原因はまたワン切りか。何とかしてほしい。業務に差し支える」と話した。 大阪市中央区の百貨店、大阪高島屋でも、女性社員が「お中元の問い合わせが極端に少ないと思ってNTTに問い合わせたら『原因不明』と言われ、またかという感じ」と、あきれていた。 夏休みの行楽客が行き交う大阪市北区のJR大阪駅でも午前10時半から、客からの問い合わせや予約の電話がぴたりとやんだ。職員は「機械のことで仕方がないのだろうが、なぜ関西だけで…」と困惑。 三井住友銀行広報部(大阪市)によると、現在のところ現金自動預払機(ATM)などに影響はなく、銀行業務には大きな支障はないという。 一方、行政機関では、兵庫県尼崎市役所で市内の支所へのファクス送受信がうまくいかず、転入届などの手続きができなくなった。職員は「前回と同じ時間帯に、同じ状態。何もできない」とぼやいていた。
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