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2002年07月19日(金) 17時59分

自動車購入契約を客が取り消し、業者の違約金請求棄却読売新聞

 大阪府堺市の中古車販売業者が、軽ワゴン車の購入申し込みをキャンセルされたとして、注文した京都市の会社員男性(27)に違約金約18万円の支払いを求めた訴訟の判決が19日、大阪地裁であった。曳野久男裁判官は、昨年4月に施行された消費者契約法に基づき、「業者に具体的な損害が発生しておらず、請求は法の趣旨に反する」と判断、業者の訴えを棄却した。「実損額以上の賠償請求を無効とする」とした同法9条の規定を巡る司法判断は初めて。同じ規定を請求の根拠にする、私立大学の入学辞退者らの入学金・授業料返還訴訟にも影響を与えそうだ。

 判決によると、業者は昨年6月、男性から登録済未使用車(新古車)の軽ワゴン車の注文を受け、売買契約を結んだ。ところが契約後に、代金など約156万円の納入を条件に車を仕入れる旨を告げ、支払いを求めたところ、男性は2日後に注文を取り消した。

 業者は「客の都合で契約を撤回した場合、車両価格の15%を損害賠償金として支払う」とした注文書の特約事項を根拠に違約金を請求。男性が応じなかったため同7月、提訴していた。

 判決理由で曳野裁判官は「損害賠償の予定額は事業者に生ずべき平均的な損害額の範囲内」とする消費者契約法9条1項の規定に言及。「業者が注文車両を探すのは代金支払い後で、契約撤回時に損害は発生していない。また契約締結のわずか2日後の解約で、販売で得られる予定の利益まで損害に計上するのは法の趣旨に反する」と述べた。

 男性側代理人で、日本弁護士連合会消費者問題対策副委員長の野々山宏弁護士(京都弁護士会)によると、同法を巡る判決は簡裁レベルで4件あるが、いずれも契約時の虚偽説明を禁じた4条などの違反に関するもの。野々山弁護士は「画期的判決だ。事業者側が一方的に定めているあらゆる約款の見直しが迫られる契機になるだろう」と話している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020719-00000411-yom-soci

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