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2002年07月09日(火) 03時03分

離婚訴訟大幅見直し 家裁に審理一本化し利用しやすく朝日新聞

 夫婦や親子関係をめぐる裁判制度の見直しに取り組んできた法制審議会(法相の諮問機関)の人事訴訟法分科会が原案を固めた。離婚などの審理の舞台を家庭裁判所に一本化し、心理学などの専門知識をもつ家裁調査官が幅広く関与するなど、使い勝手のいいものに改める。法務省は広く一般の意見を聞いたうえで、来年の通常国会での法整備を目指している。

 現在の仕組みでは、双方の話し合いによる協議離婚が成立しなければ、家裁で調停・審判を受け、それでも不調な場合は地裁で離婚訴訟を争うことになる。こうした区分けは煩雑で国民に分かりにくいとして、政府の司法制度改革審議会も見直しを求めていた。

 原案によると、離婚原因をつくった夫・妻やその浮気相手に損害賠償を求める時には、離婚の当否とあわせて家裁で一括して審理することを義務づける。同じような立証を別々の法廷でしなければならない現状への批判を踏まえた。

 これらの訴訟を含め、家裁調査官が関与する場が広がることによって、例えば離婚に伴い親権者を決める場合、調査官が子どもに直接会って話を聞くといった、細やかな対応が可能になる。裁判は公開が原則だが、こうしたケースについては調査報告書の閲覧を認めないといった配慮をすることも検討されている。

 また、裁判長が必要があると認める場合は、民間から選ぶ「参与員」を1人以上登用できる。判決にあたって裁判官に意見を述べたり、和解の手助けをしたりする。

 現在も家裁の審判手続きに一般国民が参加する制度があるが、これを訴訟段階にまで広げて、裁判所の判断に市民感覚を反映させるのが狙いだ。

 審理にのぞむ裁判所の基本姿勢も改める。現行法では、結婚や養子縁組を維持する方向でしか裁判所は職権による証拠調べができない。だが、「関係をつなぎとめることばかりが良いわけではない」との声が増えているのを踏まえ、この原則を外し、離婚や離縁の方向での証拠調べもできるようにする。

 厚生労働省の人口動態統計によると、01年の離婚件数は約28万6000。このうち訴訟にまで持ち込まれるケースは1%程度にとどまる。だがその動向は、「すそ野」にあたる家裁の審判や当事者同士の話し合いに影響を及ぼしており、今回の抜本見直しは多くの関心を集めそうだ。(03:03)

http://www.asahi.com/national/update/0709/001.html

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