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2002年05月22日(水) 15時58分
缶チューハイの表記「飲めぬ」 消費者団体vsメーカー(朝日新聞)果汁入りで飲みやすさが受けている缶入りチューハイの表示をめぐって、消費者団体とメーカー側がにらみ合っている。「ジュースと間違う」と指摘された業界は今月、適切な表示をめざす自主基準をつくった。しかし、ルールすれすれともいえる商品が出たことで、早くも練り直しを迫られている。 「果物を強調した低アルコール飲料は誤飲や未成年の飲酒を誘う。私たちは、『生果汁チューハイ』という名称を改めることを求めます」 主婦連合会は7日、そんな要望書を宝酒造に送った。「生果汁」は3月末に発売。レモンやグレープフルーツといった果汁3%を加え、当初出荷100万ケースを記録したヒット商品だ。 主婦連が缶入りチューハイをやり玉にあげたのは、これが初めてではない。昨夏、キリンの「氷結果汁」について公正取引委員会に不当表示の調査を求めた。缶に果実の絵や「果汁使用」などとかかれているので、「幼児が誤って飲む恐れがある」という主張だった。 国民生活センターには昨年までに13件の苦情が寄せられ、「誤飲した女児が入院した」「運転中に誤って飲みそうになった」といった例も報告されているという。 こうしたことから日本洋酒酒造組合は公取委、消費者団体、同センターと意見交換を重ね、アルコール9%未満の飲料について自主基準をつくった。果汁の割合をはっきり示し、「根拠のない『天然』『生』などの表示をしない」などが柱。今月1日に施行された。 基準の原案が固まった後、キリンは4月上旬出荷分から「氷結果汁」を「氷結」に改めている。前後してサントリー、メルシャンも一部の商品名から「生」を削った。 ところが、「生果汁チューハイ」の登場が波紋を呼んだ。主婦連は「消費者にとって、生果汁とは搾り立ての果汁を意味する。根拠がない表記はできないとしたルールを逆手に取るようなもの」と怒り、公取委と酒造組合にも、宝酒造を名指しで批判する文書を送っている。 宝酒造は「加熱処理しないという特徴を分かりやすく表現するための名称。缶のデザインにも注意を払った」と説明している。 果実飲料は公正競争規約などにより、「生」「天然」とはうたえない。しかし、低アルコール飲料には法的な取り決めがなく、それに代わるのが自主基準とみなされていた。あるメーカーの幹部は「業者間の足並みがそろったと思ったのに」と困惑を隠さない。 ◇ 日本洋酒酒造組合の高柳昭雄常務理事の話 表示競争となっている面は否定できない。実際、返す言葉もない商品はある。製法や果汁の種類が多様なこともあって、業界はまとまりづらい。しかし、公正取引委員会からも指導を受けており、自主基準をさらに強化する方向で検討している。(15:04) |