「幹部が数十億円持ち逃げ」東京の健康食品販売会社（東京新聞）

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2002年05月03日(金) 00時00分

　「健康食品を購入して会員になり、新規会員を開拓して販売すれば、助成金を支払う」と主婦らを誘い、多額の資金を集めていた健康食品販売会社「アイエーエスプロデュース」（東京都港区）が四月下旬、「幹部が数十億円分の現金や証券を持ち逃げした」との手紙を会員に送っていたことが二日、関係者の話で分かった。

　全国十一カ所の支社、支店のうち、福井、名古屋、広島の支社は既に閉鎖状態になっており、約二万人といわれる会員の間で、会社側に事実関係の説明を求める声が強まりそうだ。

　会員らによると、社長（５３）ら上層部と連絡が取れない状態が続き、会員の間で「約束された助成金がもらえないのでは」「必ず送金してほしい」などと不安の声が相次ぎ、被害者の会結成の動きも出始めた。

　元幹部社員や内部資料などによると、アイエーエスプロデュースは一九九九年十月に設立され、資本金三千万円。

　販売の仕組みは、ブラジル産のお茶やプロポリスなど健康食品を購入して会員となり、会社側は購入額三十万円で「代理店」、百五十万円で「総代理店」、七百五十万円で「販社」の資格を会員に与え、ランクに応じ助成金を支払う−というもの。

　会社側は今年一月、会員に「当面、組織の拡大と助成金支払いを自粛するが、四月二十八日に再開する」と通知。社長が各地の会員に説明に回った。

　ところが、四月下旬に「専務、営業部長らに時価総額数十億円分の現金及び証券を持ち逃げされ、警察当局に被害届を出した」との社長名の通知が会員の元に届き、会社側との連絡が取れなくなったという。