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2002年05月02日(木) 03時05分

「モデルになりませんか」で詐欺容疑の男を指名手配朝日新聞

 「パリコレにも出られる」などと高級ファッション誌に載せた自社の広告を見せながら女性をモデルに勧誘し、多額の現金をだまし取ったとして、警視庁は1日、自称服飾デザイナー渡部克正容疑者(52)に対して詐欺容疑で逮捕状を取り、全国に指名手配した。被害総額は6000万円にのぼるとみられる。

 捜査2課の調べや首都圏などの消費生活センターに寄せられた苦情によると、渡部容疑者は東京・原宿や青山などの街頭で10代から30代の女性に「自分は服飾デザイナー。新たな衣料ブランドを立ち上げるので専属のモデルにならないか」などと声をかけ、女性が誘いに乗ると、レッスン料や保証金名目で現金数十万円から数百万円をだまし取っていた疑いが持たれている。

 高級ファッション誌「ヴォーグ ニッポン」もだましの道具として使っていた。昨年9月から11月にかけて同誌に掲載した広告は、ポーズをとったモデルの写真に「FIGUEROA」(フィゲロア)と社名ロゴが書かれていた。一見すると広告ではなく特集の1ページに見え、女性の勧誘に効果があったという。

 同様の手口で被害者は首都圏を中心に約60人、被害総額も6000万円を超えると見られる。誘い文句を信じた女性が親から借金をしたり、未成年者に消費者金融で現金を借りるよう迫ったりしたケースもあったという。

 女性の一部には、広告にモデルとして掲載された人もいたが、ほとんどは現金を支払ったままモデルの仕事はなかった。不審に思った親からの返還の申し出に、数十万を返還したケースもあったという。

 広告に掲載された住所は00年12月に電話秘書代行のレンタルオフィスとして契約。電話は渡部容疑者や関係者のところに転送されるようになっていたが、01年末に契約が切れてからは連絡がつかない状態となっている。

(03:05)

http://www.asahi.com/national/update/0502/002.html

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