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2002年04月26日(金) 20時44分

「夕刊発行を妨害」函新が道新相手に損害賠償訴訟読売新聞

 北海道函館市の函館新聞社(函新)は26日、同市周辺で新たに夕刊紙を発行しようとした際に妨害を受けて損害を被ったとして、北海道新聞社(道新=札幌市中央区)を相手取り、約12億8000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、函新は1994年、函館地区の地元経済界が中心になって設立を構想し、同年8月に同地区で夕刊紙を発行する計画を発表した。ところが、同地区で圧倒的シェアを占めている道新が同年秋から、函新が将来使うと想定されていた「函館新聞」など複数の新聞題字を特許庁に出願したほか、通信社に対して函新にニュース配信しないよう要請するなどの妨害工作をした。

 函新は95年に設立され、97年1月から夕刊紙発行を始め、2000年4月から朝刊紙に切り替え、現在の発行部数は函館市を中心に約1万3000部。訴えでは、道新側の妨害工作で広告宣伝に多額の費用を要したり、予想部数が伸び悩んだりして損害を受けたとしている。

 公正取引委員会はこの問題で98年2月、独占禁止法違反(私的独占)で道新に排除勧告し、<1>特許庁に出願した商標登録の取り下げ<2>通信社の配信を妨げないこと—などを求めた。一昨年2月、道新は排除勧告に同意し、同法違反が確定した。

 函新の小笠原金哉社長は東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「道新はすべて問題が解決したという姿勢に終始しており、訴訟以外に解決の道は難しいと判断した」と述べた。

 道新の広川一彦社長室長は「公取委との間で同意審決を選択したのに、また函新が新たな争いを提起し、法外な賠償を請求するのは遺憾だ」とコメントした。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020426-00000312-yom-soci

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