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2002年04月03日(水) 00時00分
前納金「ぼったくり」 返さぬ私大へ訴訟を検討(朝日新聞)「すべり止め」の私立大に納めた入学金や授業料が、「本命」に合格して入学を辞退しても返ってこないのは消費者契約法に違反するとして、大阪の弁護士らが6日、電話相談窓口「入学金・授業料110番」を開き、受験生や保護者の声を聞く。問題のある事例を集めたうえで受験生らに呼びかけ、納入金の返還を求める訴訟を起こす方針だ。 提訴を検討しているのは大阪の弁護士12人。松丸正弁護士によると、私立大の一部では、推薦入試などに合格した受験生が、入学金や前期授業料、施設整備費など70万〜100万円を前納するよう求められ、いったん納めると、国公立大や、ほかの私立大に合格して入学を辞退しても、返金されないという。 消費者契約法は、商品やサービスの契約をめぐるトラブルから消費者を守る目的で、昨年4月に施行された。契約を解除する場合、違約金や損害賠償額を定めた契約条項があっても、事業者に生じた実損額以上は無効で、支払う義務はないことを定めている。 松丸弁護士らは、同法の契約に入学手続きも含まれるとし、入学辞退で大学が受ける損害はあっても微々たるもので、「授業を受けたり施設を利用したりすることがないのに授業料などを納めさせるのは、消費者契約法が禁じた『ぼったくり』にあたる」と主張している。 「入学金・授業料110番」は6日午前10時〜午後4時。電話番号は06・6361・2251。 文部科学省によると、私立大学の入学者の初年度の納入金の平均(01年度)は、文系で約113万円(うち入学金約27万円)、理系で約144万円(同約28万円)にのぼる。 ECC予備校本部(大阪市)は「(少子化などによって)私立大学の経営は苦しくなる一方で、大学側の改善の動きは鈍い。特に推薦入学の場合には、あらかじめ納めさせた入学金などを返還する大学は少ない」と指摘している。 これに対し、全国に約500ある私立大学(短大を除く)のうち、123大学が加盟する日本私立大学連盟(事務局・東京)は「受験生の気持ちはわかるが、自らの地位確保の手付金という面があることも理解すべきだ」という。しかし、「最近では各大学とも分割納入を採用し、一度に全額を取るところは減ってきている」と、大学側も改善を進めていると説明する。 |