2002年01月31日(木) 00時00分
NHK受信契約者リストがネットに流出大阪市内8人の電話番号、口座データなど(ZAKZAK)
日本放送協会(NHK)=写真左=の受信契約者リストとみられる極秘情報が外部に流出し、大阪府内の一部視聴者の個人データがインターネットのホームページに掲載されていたことが31日、分かった=同下。本人の知らない間に、住所や電話番号、銀行名などを掲載された視聴者は「こんなことになるなら、受信料を払わなければよかった」と憤慨。前代未聞の“不祥事”に、NHKは「現在調査中だが、もし本当なら大変なことだ。特定できた段階でしかるべく対処する」(経営広報部)と、大きな衝撃を受けている。
流出が発覚したのは、NHK受信料を支払っている視聴者の個人データが記された『受信契約者リスト』とみられる。
氏名や住所の一部などが黒く塗りつぶされているが、電話番号や住所の一部、支払い状況、口座振り替えに使用する銀行名などを確認することができるリストの写真が27日、個人の主催するインターネットHPに掲載された。28日以降は、一部露出していた電話番号が見えなくなるように、再度塗り直した写真が掲載されている。
写真で確認できる内容から、このリストは平成11年、大阪府内の某府営住宅に居住していた視聴者8人の受信料支払いに関する個人データとみられる。
確認できた電話番号に夕刊フジが連絡すると、応対した男性は、電話番号と住所、受信料の支払い方法などがリストの通りであることを認め、「そんなリストがネットに流出しているなんて気持ち悪い。信じられへん…」と言葉を失った。
HPによると、写真を提供した人物は「元集金人」を名乗り、この人物が集金人になる際にNHKと交わした「委託契約書」や「契約・収納事務費支払内訳書」と呼ばれる給与明細などの写真も提供。同局が受信契約率と世帯増加率をそれぞれ地域ごとに5段階で「ランク」付けしていることも詳細に暴露している。
この人物がHPに掲載した動機は不明ながら、こうした事態に、NHK経営広報部は「(写真のリストは)非常にNHKの内部資料とよく似ている。本物であれば、重大なことだ。確認しなければならない」と深刻にとらえ、流出の事実確認を急いでいる。
同部の説明だと、この写真とよく似たNHKの内部資料は、受信料の支払い状況などが記録されているもので、コンピューター上にデータ化されている。各地の営業のポスト長が管理し、視聴者宅を訪問集金する「地域スタッフ」の参考のため、担当地域の分をプリントアウトして渡しているのだという。
現在、HP上では8人分の個人データしか確認されていないが、データ化された内部資料の流出となれば、気がかりなのはそのルートと規模。放送法はテレビを持っている人はNHKと受信契約を結ぶことを義務づけられているからだ。
流出ルートについて、NHKが「調査中」という現段階では、住民台帳とまでは言わないが、一企業の顧客リストとは比べ物にならない膨大なデータが、ハッキングを含むあらゆる方法で流出した可能性も否定できない。
また、流出したデータの内容についても、NHKは「企業の秘密であり、内部資料なので、具体的にどのような項目があるのかは、答えられない」とし、今回、ネット上に個人データを公開されてしまっている人たちの不安は募る。
NHK経営広報部は「もしも本当なら、知る限りでは記憶にない大変なこと」「やることはやってます」と徹底調査に着手していることを言明。調査と並行し、視聴者への対処も「検討している」という。
HPに掲載された写真などを手がかりに、流出ルートを特定するのは時間の問題で、「調査の段階だが、確認されれば、法的措置も選択肢の1つとして、しかるべく対処する」と、窃盗容疑での刑事告訴も視野に入れている。
ZAKZAK 2002/01/31
http://www.zakzak.co.jp/top/t-2002_01/2t2002013104.html
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